2004年の大河ドラマが三谷幸喜脚本の『新撰組!』になることが発表されました。異例の起用にガイドは正直いってひっくり返っています。
なにが異例かというと、NHKは大河ドラマと連続テレビ小説に関して実績主義を採用しているようで、ほとんどの場合他の枠のドラマの脚本を担当し、それで成功した脚本家を大河・連続テレビ小説に起用しているからです。
昨年の『北条時宗』井上由美子は大河史上最若手ですが、『照柿』『この指とまれ』などでシリアス・コメディともに書けるところを見せて、連続テレビ小説『ひまわり』、そして大河ドラマとステップを踏んでいます。
NHKでキャリアを積んで、一番信頼されているのはたぶんジェームス三木。『煙が目にしみる』などでコンプレックスに悩む主人公を描き注目され(いまでいうと『夢のカリフォルニア』をちょっと老けさせたようなドラマ、主演は30代の川谷拓三、根岸季衣だから)、連続テレビ小説『澪つくし』で成功し、大河ドラマ『独眼竜政宗』で大成功。
その後、スキャンダルでミソをつけたものの『八代将軍吉宗』で信頼を回復。現在の夜ドラ『真夜中は別の顔』など、近年NHKが新ドラマ枠をつくった場合、ほとんどジェームス三木が第一作が書くという信頼を勝ち得ています。
それで戻って三谷幸喜、NHKでは舞台中継とか『裸にしたい男たち』などのドキュメンタリーなどだけで、ドラマの実績はありません。
本人も昔から「大河ドラマを書きたい」と公言し、日本テレビ『竜馬におまかせ』や舞台『彦馬がゆく』『竜馬の妻とその夫と愛人』などを書いていて、得意な時代設定ではありますが、それでいいのかNHK、せめて『お江戸でござる』を一度書いてもらうぐらいできなかったのか?(って、それはドラマじゃない??)
意外な展開に輪をかけたのが事前に「野沢尚ではないか」というウワサが流れたこと。
『眠れぬ夜を抱いて』の記者会見で「民放の連続ドラマからはしばらく遠ざかる」と発言したことから、大河ドラマを書くんではないかという予想がされました。
もっとも、これはさらにその次の2005年を担当するということかもしれません。野沢尚はドラマ収録以前に脚本をすべて書き上げる主義で、時間がかかりますから。