絵本/絵本関連情報

みんな大好き、ぐりとぐら!(前)

子どもや大人の好きな絵本で、常に上位にランクインされる『ぐりとぐら』。現在刊行されているシリーズ7冊を、四季を追いながらじっくりご紹介します。野ねずみのぐりとぐらはどんな毎日を過ごしているのでしょう。

執筆者:鈴木 宏枝

人気のシリーズ絵本をとりあげる第一弾で、中川李枝子さんと山脇百合子さんの黄金コンビが送り出してきた「ぐりとぐら」シリーズを前編と後編に分けてご紹介します。2007年6月~7月におこなった「これが食べたい!絵本のおやつは?」アンケートでも78%という圧倒的な人気を博したのは「ふっくら卵色。ぐりとぐらのカステラ」でした。

<INDEX>
1ページ目:すべての子どもに愛される『ぐりとぐら』
2ページ目:ぐりとぐらの春と夏
『ぐりとぐらのおおそうじ』『ぐりとぐらとくるりくら』『ぐりとぐらのえんそく』『ぐりとぐらのかいすいよく』
3ページ目:ぐりとぐらの秋と冬
『ぐりとぐらとすみれちゃん』『ぐりとぐらのおきゃくさま』

すべての子どもに愛される『ぐりとぐら』

このよで いちばん すきなのはおりょうりすること たべること

大きなかごを持ってでかけた森の中で、野ねずみのぐりとぐらは大きな卵を見つけ、カステラを作りはじめます。いい匂いにつられてやってきたライオンやゾウや小鳥も、みんなご相伴に預かります。

雑誌掲載時のタイトルは「たまご」でした。小さいぐりとぐらから見た大きな卵は、本当はそれほど大きくなかったかもしれません。でも、その卵で作ったカステラはたくさんの動物のおなかを満たせます。入れ子のような大小感覚がいかにも絵本らしい空想性を実現しています。少しくすんだ濃淡のある色合いや、絵のリズムにもひきつけられるでしょう。この2匹は「ふたご」なのですが、友達でも兄弟でも読み手のお子さんの感性のままでいいのではないかと思います。

■『ぐりとぐら』
文:中川李枝子
絵:大村百合子
出版社:福音館書店
価格:\780
発行:1963.12/1967.1

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