スウェーデンの育児、日本の育児
ベビービョルンの本国、スウェーデンでは、法律でパパが最低60日の育児休暇(妻の出産直後には最低2週間)を取らねばならないと決まっています。そのような、「60日間以上のパパ育児」が国家的な前提としてあるスウェーデンでは、育児用品選びも当然「男女平等」。するとやはりシンプルな黒が好まれ、男性が抱っこひもをつけて歩くというスタイルが町のあちこちで普通に見られます。深井さん、濱田さんたちがベビービョルンを日本国内で展開するときに思い描いたパパママ像は、アッパーミドルの家庭で感度、センスが高く、子どもを愛せる思いやり豊かな家庭を持っている人だったのだそうです。
ベビーキャリアを単なる「育児用品」としてではなく、ファッションの中のアクセサリーとして認識し、つけているときの自分を楽しめる、そんなパパママ。現代のパパママ像と、マッチしていると思いませんか?
グランドール社が行った日本国内のモニター調査によれば、育児用品を購入するときには妊娠中にママが選ぶケースがほとんど。パパも使ってねというメッセージを込めて、ベビービョルンの製品を買っているといいます。シンプルな色使いとデザインに、パパ達は「この色だったら着けてもいいよ」と気軽に抱っこを手伝ってくれるのだそう。ママがパパに協力をお願いするときに、ベビービョルンのカッコよさが一役買っているといえそうです。
ベビービョルンにはスウェーデンならではの子育てへの哲学があり、それはパッケージデザインに明確に表現されています。育児商品でありながら、パッケージ上に男女が等しく存在するのです。これはもはやスウェーデンでは当然のことではありますが、ベビービョルンは世界での販路を拡大するにつれて、パパが育児するスタイルを広める立役者となりました。
ついに米国のドラマでは、「パパが抱っこひもで赤ちゃんを連れて歩く」という意味の俗語として「ベビービョルンする」という表現が登場したとのこと。ベビービョルンは、世界規模でパパ育児の代名詞となったのです。
スウェーデンではパパ同士で「公園デビュー」!?
先述したように、スウェーデンでは、育児休暇を取る男性は「全員」。育休終了後も、ママに休憩時間をあげる意識で家事育児を普通にするのだそうです。その理由は「どんなになだめても泣きやまないベビーにイライラする気持ちがわかるから」だと、あるスウェーデン人のパパは話していたとか。子育ての楽しさだけでなく、困ったことや辛さも全て共有している姿には、本当の意味で「パパママが平等にする子育て」が実現しているのを感じます。深井さんは、同じ男性が子育てをしている姿を見て、「やらされてる感」が全くないと感じたそうです。彼らが楽しんでいるのは、例えばこんな包丁、こんな食器が楽しいという感覚なのだと。そういう小道具を楽しめるのは、男性が家事育児をするのあたりまえという姿勢ならではかもしれません。
また、育休中のパパ同士で公園デビューをしたり、公園や街中でパパ同士の出会いがあったりするのも、日本よりもはるかに進んでいる印象です。ベビーが産まれて、自分達の生活が変えられるという意識ではなくて、「自分達のライフスタイルの中にベビーをどう迎えるか」という姿勢なのだと、濱田さんも教えてくださいました。
ベビービョルンの担当者として、お二人は「子育て支援の制度がどうとかよりも、育児をしているパパの姿がカッコいい、それに憧れるという気分を作ることが、私たちにできることだと考えた」と言います。ベビービョルンの売れ行きが好調であることに、ようやく日本もそのようなライフスタイルが受け入れられるようになってきたのだと感じるのだそうです。
グランドール社のモニター座談会でも、「うちのパパは積極的に家事も育児もやってくれるんですという参加者に、他の人たちから「えーっ、いいなぁ」と歓声が上がったとか。「家事育児に協力してくれるパパに対して、周囲の評価は確実にポイントアップするんですよ」と笑う濱田さん。ベビービョルンの商品と、その哲学を心から信頼なさっているお二人の前向きな姿勢から元気を頂き、「日本の子育てもこれからどんどん楽しいものになる!」と期待がふくらむインタビューでした。
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