どんどんクラスを追い抜かれていくショック
自身は、高校受験と短大受験を経験した。「短大は推薦で受験したため、国語だけ勉強していればよかったので他の子より楽でした」。しかし高校受験の時は、中1から塾に通った経験がある。「どんどんクラスが落ちていき、最終的に中3でその塾は辞めて、個別指導の塾に移りました。結局、第一志望だった憧れの女子校には入ることができませんでした。あとから入ってきた子たちにどんどんクラスを追い抜かれていくというのは、かなりショックでした……」
自分は中学生でその経験をしたけれど、息子は小学生でその経験をするかもしれないと思うと、かわいそうに思う。今のところ上のクラスを維持しているので、このまま維持し続けて欲しい、というのが母の願い。
自身の「塾弁」に関しては、
「中3の冬期講習の際は、毎朝お友達とお寿司屋さんのおにぎりを2つ買ってから講習に向かっていましたが、あの当時は、お弁当持参の子がいなかったように思います」
と振り返る。高校3年間はお母さんがお弁当を作ってくれ、「今日は茶色でまとめてみました」なんて言っていたことをよく覚えているとか。
子どもの教育への漠然とした不安感
中学受験をするかどうか、実はまだ決めていない。「家族に中学受験経験者がいないため、家族の中でも本当に中学受験のために自由な時間を割いて勉強ばかりさせてよいものなのか、不安はあります」
でも、自分の時代と比べて、公立小学校の授業内容も一部の教師のレベルも落ちているのではないかと感じている。
「こういう世の中だから、中学受験が過熱するのも仕方がないのかなと感じています」。
自分が小さいとき、外に行けば誰かが遊んでいた。でも最近の子どもたちは習い事が多く、遊ぶ約束をしなくては放課後に遊べないという点で、時代は変わったなぁと思うのだとか。「いろいろな怖い事件があるので、気軽に外で遊ばせるということも難しくなってきているというのも、なんとかしてもらいたいものです」。
子育ての上で、夫婦で心がけているのは、子どもと一緒に楽しむということ。ゲームでもテレビでも映画でも、親も一緒にやったり見たりして、共通の話題で楽しめるようにしている。ゲームやテレビの時間が長めになってしまうのがネックではあるが、休日のコミュニケーションや団欒の中でも、大きな役割を果たしているという。
快活な息子さんを中心とした仲良し家族だが、ストレスといえば、息子さんが活発すぎるということ。
「最近は『人の気持ちがわかるようになりなさい』と言い聞かせています」。
塾弁をブログで公開する身として、中学受験をサポートする母について、考えることがある。
「塾を選ぶ際に『塾弁がなく、夕食を一緒に食べられるから』ということを基準にされる方もいらっしゃいます。確かにそれはあると思います。温かい夕食を家族みんなで食べるということはとても大事だと思うからです。でもうちのように、子どもが選んだ塾がお弁当が必要だったという場合、ぜひ『面倒だ』と言わずに頑張ってる子どものためにも塾弁作りを頑張っていってほしいと思います」。
親と子、それぞれが何を求めるか。暮らしの環境も家庭によってまちまち。中学受験という選択をしたならしたで、教育は「子どもが主役」を原則にしたい。年々大きく、加熱していく中学受験のうねりの中で、日々子どものサポートに頑張るお母さん達がいる。
⇒関連サイト 『ゴンベさんのお弁当』