夜中の授乳こそ、パパの出番!
産院や助産院、小児科でも、できれば母乳で育てましょう、という指導がされる昨今。母乳の出にはママによって個人差があるといわれ、必ずしも母乳が全てではありませんが、日々母乳育児を頑張っているお母さんが多いのは事実のようです。(⇒関連記事 『公然授乳』はセクハラで訴えられる!?)完全母乳育児を、「完母(かんぼ)」と呼び、「えーっ、○○さん完母なの、すごーい」なんて楽しそうに喋っている若いママたちや、カフェに座り、オシャレなスリングで人目からそっと隠しながらベビーに母乳をあげている自然体のママを見かけたりすると、母乳育児の広がりを感じさせられます。
母乳で育てられているベビーが母乳を一番好んでしまい、湯冷ましやお茶などの味、そして哺乳瓶自体をイヤがってしまうのを悩んでいるパパママも、決して少なくないようです。ですが、ママが母乳で頑張っているから授乳に関しては自分の出番はない、と諦めてしまうのは残念。母乳でも、パパがベビーに授乳する方法はちゃんとあるのです!
英国AVENT社の搾乳器。上のポンプで乳房から母乳を搾り、使い捨てできる容器に直接保存する。 |
仕事をしているママ達にはよく知られている方法ですが、母乳は冷凍保存できます。日中に母乳を搾乳器(さくにゅうき。ポンプのこと)で搾り、一回分ずつストックしておくことができるのです。雑菌が繁殖しないよう、搾った母乳を入れる容器やポンプは、常に清潔なものを用い、搾乳(さくにゅう)したらすぐに冷凍庫に入れ、3~4日を目安に使い切るのが理想的とされています。
これを、ママがいないときに家族や保育士さん、ベビーシッターさんが解凍し、人肌の温度に温め、赤ちゃんに哺乳瓶で与えます。“搾乳“とか”冷凍“と聞いて、えぇっと驚かれるかもしれませんが、この方法はもう海外や日本国内で40年以上も行われてきている、ごく一般的な方法なんですよ。(まぁ実際、これを実践していたガイドも、自分のことを『乳牛みたいだなぁ』なんてぼんやり思ったことは否定できませんが、育児とはそういうものだとご納得頂ければ幸いです……。)
で、この方法を用いれば、夜中のパパの授乳もバッチリなのです。夜中にベビーがフニャーンと泣いたら、パパが冷凍庫へ直行、予め保温してあるお湯(母乳中の成分が変質しないよう、60度前後がベスト)に冷凍母乳を器ごと入れ、解凍します。ベビーが一度に飲む量は、まず50cc前後から始まって、大きくなっても200ccくらいなので、解凍時間はそれほど長くありません。時折温度を見ながら自分の体温より少し温かくなったくらいで哺乳瓶に移し、ベビーにあげます。哺乳瓶が苦手なベビーも、中から出てくるものが自分の大好きな母乳の味だと分かると、素直に吸い付いてくれることが多いようです。