大阪大学社会経済研究所・筒井義郎教授のチームが日本で大規模アンケートを実施。老若男女、様々な条件の日本人の主観的な幸福度を比較したところ、日本で一番幸せなのは「30代、都会の専業主婦」だった!?
≪INDEX≫
1: あなたの幸福度、10点満点で何点ですか?・・・P1
2: 男性は平均的に女性より不幸である?・・・P1
3: 高齢になるほど不幸である?・・・P1
4: お金持ちが幸福というわけじゃない・・・P2
5: パート主婦は専業主婦より不幸である?・・・P2
6: 経済学では「労働は不幸」・・・P2
あなたの幸福度、10点満点で何点ですか?
年齢、性別、職業、経済状況など、日本人の幸福感はどのような要因で決まっているのか?これを分析するため、大阪大学社会経済研究所・筒井義郎教授のチームが、日本で大規模アンケートを実施した。⇒産経新聞 「最も幸せな日本人像は 30代、都会暮らし、専業主婦」(2005年11月18日 朝刊)
「くらしの好みと満足度についてのアンケート」と題されたこの調査は、2004年2月、20歳から65歳までの男女6000人を対象に実施。有効回答数は4224、回答率は70.4%であったという。
「全体として、あなたは普段どの程度幸福だと感じていますか。『非常に幸福』を10点、『非常に不幸』を0点として、あなたは何点ぐらいになると思いますか」
あなたの幸せ度は何点ですか? |
男性は平均的に女性より不幸である?
この調査結果を性別で分析すると、男性のほうが女性よりも幸福感を感じておらず、性別によって幸福感に違いがあることが示された。海外で行われた、過去のいくつかの類似研究でも同じような傾向が報告されており、これらから一般的に男性は女性よりも「不幸である」という結論が導き出される。男性がもともと、生物学的に幸福を感じにくい生き物なのか?それともこれは社会的な役割によるストレスの結果なのか?筒井教授の研究では、これを「男性優位の社会が弾性に責任と緊張を強いる」ために「皮肉にも男性に幸福をもたらしていない」と分析している。
高齢になるほど不幸である?
年齢別の分析では、30代がもっとも幸福で、20代がそれに次ぎ、40代以降は年齢が上がるにつれて不幸になっていく。日本人は30歳が幸福の絶頂ということになる。しかし、海外の多くの調査結果では、30代がもっとも不幸で、年齢に従って幸福感が上がっていくという。日本の高齢者を対象とした政策に不備があるのか、または世代間の危機感の差なのか、日本は「若年」であることが幸福となる、まれな国であるようだ。