性犯罪の「再犯者率」初調査
《児童性犯罪者 再犯率15.9%》 2005年03月05日 産経新聞
全国の警察が昨年一年間に、十三歳未満の児童を対象とした性犯罪(強姦、強盗強姦、強制わいせつ、わいせつ目的略取・誘拐)で検挙した容疑者四百六十六人のうち、全体の15・9%に当たる七十四人が過去に、児童への性犯罪で検挙されていたことが、警察庁のまとめで分かった。
四罪種に絡む出所者は年間で百数十人程度に上るとみられる。
一方、四罪種に児童買春・児童ポルノ法違反、痴漢、下着盗といった関連犯罪も含めると、再犯率は全体の25・8%(百二十人)に上っている。
また、警察庁は昭和五十七年から平成九年までに、児童対象の強姦容疑で検挙した容疑者五百二十七人のうち、死亡や所在不明を除いて追跡可能な五百六人についても調査した結果、全体の20・4%に当たる百三人が検挙後に再び強姦か強制わいせつで検挙されていた。このうち、ほぼ半数の四十七人(9・3%)が児童を対象に再犯に及んでいたという。
この、初の性犯罪者の再犯追跡調査により、「再犯率」というトリッキーな数字を巡る混乱が一応の鎮静を見ることとなった。一時は、性犯罪を漠然と捉えた上に「再犯率が41%」とする根拠のない説が一人歩きし、いたずらに不安をあおったり、「再犯率」の数値のみに固執した議論が戦わせられたりする時期もあった。しかし、この議論のきっかけともなった13歳未満の児童対象の性犯罪のみに絞って、再犯追跡調査で検証されたことにより、理屈でなく感覚的に「性犯罪者は再犯する」と思う立場の者と、統計的に実証されていないとしてそれに反対する者と、双方が納得する材料が提示されたことになる。
結論から言えば、強姦、強盗強姦、強制わいせつ、わいせつ目的略取・誘拐という4罪種の検挙者が、同じ4罪種で再犯を犯す割合が15.9%で、「他の犯罪と比べてそれほど高いというわけではない」と評されるのであり、4罪種に児童買春・児童ポルノ法違反、痴漢、下着盗といった関連犯罪も含めた場合は、再犯率は全体の25.8%に跳ね上がる。つまり、そういった「児童対象の性」の周辺で、罪種は違えども犯罪を繰り返す行動パターンの持ち主が、4人に1人以上と受け取ることもできる。
メーガン法賛成に94%
この「メーガン法を巡る賛否両論」シリーズ開始から1ヶ月間に渡り、「性犯罪前歴者の情報把握について賛成か反対か」という投票を募ったところ、情報把握に「全面的に賛成」・「一部条件付き(住民への情報公開を留保するなど)で賛成」が計94%、「全面的に反対」が6%という結果となった。
投票開始から、「全面的に賛成」がおよそ7割前後を推移したが、「メーガン法」シリーズの中では、メーガン法的な、性犯罪前歴者の住民への情報公開が招くデメリットなども詳しく紹介したり、当時議論されていた「再犯率」数値の恣意性なども紹介したりしたため、「条件付賛成」も一時伸びを見せた。
ところが、この投票期間中、性犯罪の余罪40件という男が逮捕されたり、愛知で乳幼児が無差別に襲われたりという事件が起こる度に、「全面的に賛成」が大きく伸びる。1ヶ月を経て、最終的には投票開始時よりも「全面的に賛成」のパーセンテージが大きく、77%という結果を得た。
当「子育て事情」サイトは、ユーザの多くが30代を中心とした子育て層であり、投票者もそれに準じていると考えている。1ヶ月という長い投票期間の間に、実に多くの子育て中のユーザから寄せられた賛成票の、重みを感じる。
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