
パタゴニアに生息するダーウィンハナガエルは、オスの声嚢(せいのう……声を出す器官)がのどからお腹の下までビヨ~ンと伸びていて、メスが産卵したらそれを舌ですくい上げ、声嚢の中に取り込んで育てる。ここで変態した子ガエルは、ある日父親のお腹の中から外界に飛び出していくのだ。
鳥類はクレイマー・クレイマー

オーストラリアやニュージーランドに住むオーストラリアツカツクリという鳥は、大足類と呼ばれる通り、巨大な足を持っている(カワサキと同じだな)。このオスは、アルゼンチンやチリの風の強い草原で、林の中に土だの枯葉だの最高5トン(!)もの材料をせっせと運び込み、直径12メートルもの巨大な愛の巣たる塚を作ってメスの産卵を待つ。
しかし卵を産みつけたメスは、そのままどこかへ逃亡。残されたオスは卵を精魂込めて世話をする。土を盛り上げたり、枯葉をかけたりして、外気温に合わせてその量を調節しながら塚の中の温度を一定に保つ努力を続けるのだ。この何ヶ月もの地道な作業の結果、ある日ヒナたちがパッカリとかえり、外界に飛び出して行くのだけれど、四方八方へ走っていってしまって父親を振り返りもしないとか。
出産するオトコ―タツノオトシゴ

魚類では他にも、イトヨ・ハナカジカなどのオスは、自分の縄張りの中にメスが産卵した上に放精し、保護するという。(魚の世界にも『甲斐性』というものがあるらしい。ふ~ん。)
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