米国のある事実
ニューハンプシャー大学で社会学を研究する、デイヴィッド・フィンケラー教授は1月29日付USA Today紙で興味深い統計を紹介しています。それによれば、
米国の児童暴行(性的虐待)犯の
・ 75%が白人
・ 50%が30歳以上
・ 75%が仕事を持っている
・ 95%が男性である
(さらに、90%が被害者の知り合いであり、30~40%が血縁関係者である。また、被害者の75%は少女たちだが、25%は少年たちである)
米国で、このような幼児虐待や児童の性的虐待が多く報告される理由について、精神科医の和田秀樹さんは著書「虐待の心理学」でこう述べています;
・ そもそも米国は、虐待防止キャンペーンが広まるなど虐待に関心が高いので、報告される件数も多い
・ 「男らしく」と育てられた結果、家庭を持ってさまざまなプレッシャーを受けると、家族を支配して「男らしさ」を顕示しようとする欲求が強くなり、妻に暴力をふるったり、子どもを虐待したりする傾向が強くなる
性的虐待に至るには、支配欲求だけではなく、成長期の性的嗜好がどのように形成されたかが重要な要因となりますが、虐待犯は、自分がどれほど惨めな人間であるかを実はよく分かっているといいます。支配欲求は、自分自身の敗北感と表裏一体なのです。
「男らしく」と育てられた結果、彼らは何ゆえこんなところまで追い詰められてしまうのでしょうか?文化的な背景の違いはあれ、良かれと思った育て方が、結果的にその子ども自身を不幸な人間に育ててしまうというのなら、その育て方を見直す意味があるのではないでしょうか?
詳細は次ページ:「男らしく」が虐待へ追い込む