「男らしさ」はプレッシャー?いじめの構造
少年問題を専門とする米国の著名なセラピスト、マイケル・トンプソン博士は、著書「Speaking of Boys」で次のように述べています;
【男の子同士、なぜ悪質ないじめをするのか】
理由は2つ。
■生物学的な理由 動物のオスは互いにけんかをすることで、優位と劣位を決めているが、人間の男の子もそのような優位追求の行動を繰り返して順位を決めているため
■心理学的な理由 成長の過程で、「男らしく」と刷り込まれてきた結果、男らしくならねばと思うものの、どんな男が「一人前の男」なのか分からず、「男らしさ」の定義を模索しているため
また、中学校時代を「毎日が、殺すか殺されるかだった」と回想するある男性の言葉を受けて、トンプソン博士はこうも述べています;
”多くの学校で男の子達が経験している現実である……彼らにとっていちばんつらいのは、男らしさとは何かをめぐってお互いをひっきりなしに攻撃しあうことなのだ”。
「男らしくあるために」このように苛烈な成長期を経て、いったい男の子たちはどのような男性に育ちあがっていくというのでしょうか?
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