子育て事情/子育て事情関連情報

「男らしい」って何だろう? 男の子の発達心理学(2ページ目)

「男の子を育てるのは難しい」。それは、男の子が母親にとって異性だから。「男らしく」と育てることが、彼らを追いつめ、暴力で爆発させてしまうことにもなりかねません。日米の専門家の意見をご紹介します。

河崎 環

執筆者:河崎 環

子育てガイド

「男らしさ」はプレッシャー?いじめの構造

少年問題を専門とする米国の著名なセラピスト、マイケル・トンプソン博士は、著書「Speaking of Boys」で次のように述べています;

【男の子同士、なぜ悪質ないじめをするのか】

理由は2つ。
生物学的な理由 動物のオスは互いにけんかをすることで、優位と劣位を決めているが、人間の男の子もそのような優位追求の行動を繰り返して順位を決めているため
心理学的な理由 成長の過程で、「男らしく」と刷り込まれてきた結果、男らしくならねばと思うものの、どんな男が「一人前の男」なのか分からず、「男らしさ」の定義を模索しているため

また、中学校時代を「毎日が、殺すか殺されるかだった」と回想するある男性の言葉を受けて、トンプソン博士はこうも述べています;

”多くの学校で男の子達が経験している現実である……彼らにとっていちばんつらいのは、男らしさとは何かをめぐってお互いをひっきりなしに攻撃しあうことなのだ”。

「男らしくあるために」このように苛烈な成長期を経て、いったい男の子たちはどのような男性に育ちあがっていくというのでしょうか?

次ページ:米国のある事実
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます