使用には不安がつきまとうステロイド。その使用決断のポイントは……(写真はイメージです) |
ステロイドを使わなかった理由
ガイド:佐藤さんはステロイドを使わないことにこだわりがあったようですが、その理由は何なのでしょうか?佐藤さん:私自信、9歳のころに紫斑性腎炎という小児腎臓病にかかり、2ヶ月にわたりステロイド薬を服用した経験があります。当時はステロイド大量投与が主流の治療法でした。顔がいわゆるムーンフェイスになり、ほっぺたがパンパン。髪の毛も抜けてくる。絶対安静でベットの上から動くのを禁止され、トイレにも行かせてもらえなかったのです。当時、母がやはりいろんな本で調べて、このままステロイドを使い続けると大変なことになると思ったそうです。先生の「責任は持てませんよ」の声を受けながらも私を退院させて、東京の西医学を実践している医院に転院させた。『絶対安静』と言われていたので、富山から父が私をずっとオンブしながらの上京でした。
まず始めに、「毎日散歩してください」と言われたことに心底驚いたのを幼心ながら覚えています。そして、朝食抜き、毎日青汁ジュースを飲む、温水浴、裸体操、浣腸、など自然治癒力を高めて直すという西洋医学とは対極を行く治療法でした。西洋医学で見放された患者が大勢がんばっていました。そして私の場合は2ヶ月入院して治りました。
私のこの経験が「どんな病気も決して薬で症状を抑えるだけでは治らない。原因と結果があるとしたら、原因を治さないことにはまた何らかの違う形で症状が出るのではないか」と思うようになったのです。私はステロイドの怖さを体験して知っていたし、そしてステロイドでは根源的には治らないことも経験として知っていました。だから絶対に使いたくなったのです。特に子どもには。