喘息にいい食べ物はある?
Q:うちの子供は2歳ごろから喘息といわれ、いろいろと薬を使われていますがなかなかよくなりません。少しでもよくなるために、食べ物で何か喘息よいものがあれば、ぜひ教えてほしいのですが……。A:いろいろな研究があり、「これを食べさせれば無条件に喘息がよくなる」というものはありません。しかし、有望な食材はいくつかあります。
- 乳製品(ヨーグルトなど)
- 全粒穀物
- 魚
- 野菜
- 果物
有望食品その1:乳製品(ヨーグルトなど)
乳酸菌は腸内細菌を整えます |
有望食品その2:全粒穀物のよさ
最近発表されたオランダの研究者による調査では、全粒穀物と魚を多く食べる傾向の子供には喘鳴や喘息が少なかったそうです。全粒穀物には老化を防ぐ働きを持つ抗酸化物質が豊富に含まれていて、それがいろいろな病気にいいのではないかと最近言われはじめています。全粒穀物にもいろいろありますが、オランダで主流なのはずっしりとした黒パン。なかなか日本で同じような食生活は難しいのですが。有望食品その3:魚のよさ
オランダの調査であげられている魚。これまでの調査結果では、魚だけだとあまり効果が見られない、あるいは新鮮な魚はいいが缶詰や加工された魚はダメなど、魚ならいいというわけではないようです。ただ言えることは、魚に含まれている油・イコサペンタエン酸(EPA)・ドコサヘキサエン酸(DHA)は喘息にいい影響を与えるようです。オランダの魚と言えば、ニシンが代表的。EPAやDHAも豊富に含まれています。生で食べたり、酢漬けで食べたりするようです。ニシン以外にEPAやDHAを豊富に含む魚はマグロ・サバ・ハマチやそのほかの青魚などですから、これらでもいいのではないかと思います。
有望食品その4・5:野菜・果物
果物、特に柑橘類や野菜類もまた抗酸化物質を多く含みます。ただ残念ながら、「野菜や果物をたくさん食べたから喘息がよくなった」という調査結果は今までには出ていません。ただ、食物繊維は腸の調子を整えることから勧められています。そういう意味では野菜も果物も大切な食べ物ですが、それだけでは喘息がよくなるにはいたらないということです。何事もバランスということでしょう。以上、5つの有望食品を紹介しました。これで症状が改善されるというわけではありませんが、もしこれを見て「毎日の食卓、ちょっと偏りがあるかも……」と思った方は、日頃のお子さんの食生活を見直してみてはいかがでしょうか?
*ネット上での診断・相談は診察ができないことから行えません。この記事は実際の診察室での会話をもとに構成したものです。診断・相談が必要な方、お子様が病気にかかった場合は医院、病院で実際に受診してください。
<参考リンク先>
全粒穀物の表示は話し半分
ヘルシーな手づくりパン 全粒粉のフランスパン
子供を喘息にしないための3ポイント(妊娠中編)
子供を喘息にしないための3ポイント(育児中編)
子供を喘息にしないための3ポイント(感染編)
全粒穀物と魚を多く食べる子供は喘鳴や喘息が少なかった(ぜんそく大事点)