もしかして、これって虐待!?
子どもの「生きる権利」を守れているかどうかが、虐待を見極めるポイント |
Q.外出禁止は虐待!?
A.子どもが熱を出しているときなど、外出によって悪化することを心配しての外出禁止は、親の思いやりであり、虐待ではありません。事情を子どもによく話し、お互いに納得できるうように心がけましょう。
一方、親がパチンコに行くから子どもは家でお留守番、外出禁止、などのような親側の一方的な都合や思い込みでの外出禁止は、子どもの社会性・自由といった権利を奪うことになります。虐待と言えるでしょう。また、子どもが外に出たいと言うのを、言葉ではなくの無理やり暴力で止めるのは身体的な虐待にもなります。
Q.晩御飯抜きは虐待!?
A.子どもがご飯を粗末にするのを見るに見かねて、お腹が空くということ、ご飯の大切さを知ってもらうためにご飯を抜くのは虐待ではありません。やってみてどう感じたかを親子でよく話し合い、子どもの今後につなげることができればしつけになります。
一方、大人の都合や気分だけで晩御飯を抜くのは育児放棄。ネグレクトという虐待にあたります。
Q.おむつを替えずにいるのは虐待!?
A.赤ちゃんは自分でおむつを替えることができません。こういった生理的な不快感を取り除いてあげることは、親としての大切な仕事です。新生児はおしっこの回数が多いため、どうしても手が離せないときは仕方がありませんが、「面倒だから」「死にやしない」などという理由で替えずにいるのは問題。ネグレクトや保護の怠慢・拒否といった身体的虐待になります。
Q.「産まなきゃ良かった」は虐待!?
A.親が何気なく口にする一言であっても、子どもはそれをまっすぐに受け止めます。「産まなきゃ良かった」という言葉からは、子どもに対して「生まれてくるな」というメッセージを送ることになるため、心理的な虐待になります。子どもがどう受け取るかが重要です。
これらは一概に言えないところが難しいですが、判断基準は「子どもにとってどうか?」ということです。衣・食・住・健康・社会とのつながり・教育など子どもの「生きる権利」を守れているかどうかという視点で考えると、虐待か否かが見分けやすくなります。
虐待の定義は、時代や社会背景により変化
国や時代によっても、虐待の定義が異なるので注意しましょう |
一方、社会背景によっても虐待の定義は変化します。アメリカでは小学校2年生までの子どもを一人で買い物に行かせることは虐待にあたります。日本人的な感覚からすると「えっ、初めてのおつかいじゃないの?」と驚くところですが、アメリカは銃社会であり治安も悪いといった背景を知ると、納得できます。社会の変化に合わせて、私たちもその都度子どもとの関わり方を考えていくことが大切ですね。