ジーンズ聖地めぐりの最後に藍布屋(らんぷや)へ
ジーンズを愛する人ならば一度は訪れたい |
1つは小堀遠州作の名園、高梁頼久寺。そこで枯山水と青海波に三たび漂い、静寂の時を楽しむこと。
もう1つは、日本におけるジーンズ発祥の地である児島。そこで工場や直営店を巡りながら「日本でこそ創りえるもの」について再考することです。
ご存知のように、日本の繊維工業の多くは、コストが安い海外製品の輸入攻勢にさらされて、まさに絶滅の危機にあります。食糧自給率が4割だと騒がれていますが、綿麻製品に至っては、5%の国内生産さえ危ういのです。
そんな中で、児島では、世界に先駆けてストーンウォッシュ加工などを編み出したり、一点もののオーダーメイドジーンズなどを創るなど、独創的な試みをしていると聞いていました。
ジーンズミュージアムや、ジーンズパレスを見て歩いた後で、桃太郎ジーンズの工場に隣接した藍布屋を訪ねました。
店の中央には機織り機と本藍染め手織りの特別なジーンズ
世界に2台。ここにしかないデニム手織り機 |
店内に足を踏み入れると、そこは、ジーンズを愛する人や本物の手工品を愛でる人、さらには和の心を大切にする人なら、誰もが心震わさずにはいられない特別な空間なのでした。
お店の中央には、昔ながらの手織り機がありました。もちろん、これは飾りではありません。純国産にこだわって、実際に職人がこの機織り機を使って手作りした逸品さえあるのです。世界で、同社の工房にたった2台しかない 手織り機では、1日に1mずつしか織り上げることができないのです。
頂上を極めた芸術品、GOLDE(金丹)LABEL
本藍染めの刺し子に手刺繍のパッチ |
もともと、ジーンズは、ゴールドラッシュのアメリカで坑夫たちに着られた労働着、すなわち丈夫で長持ちさえすればいい実用着でした。しかし、眞鍋さんは、たかがジーンズのままでお茶をにごすことや、米国のヴィンテージ品をコピーすることには、我慢ならなかったのでしょう。徹底的に素材と製法を吟味して洗練させて、似て非なるもの=長く愛玩できる逸品に昇華させてしまったのです。
もちろん、JAPAN BLUEの真骨頂は藍染め技法。「自社内の本藍染め工房にて、天然藍葉を発酵させてつくった 『すくも』を使い、灰汁と日本酒、石灰を使って発酵させる『灰汁建て』 で藍を自然発酵させ、手間隙をかけつつゆっくりと手で染め上げ」るのです。
GOLDE(金丹)LABELの青は、まさに天然の色。素朴さ優しさが感じられる手織りの風合いと相まって、まさに世界に一本のジーンズなのです。
さらに、オーガニックコットンのジーンズまであったことに、私は深い感動をおぼえました。見れば見るほど、その深みが感じられるた美しい色合いに惹かれて、私もジーンズとジャケットを衝動買いをしてしまったのです。
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