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身にまとうように使いたいドレスノート(2ページ目)

紙を知りつくした竹尾が作り上げたノート、ドレスコ。見た目、手触り、そして書き心地において紙の魅力が存分に味わえます。

土橋 正

執筆者:土橋 正

ステーショナリーガイド


万年筆ユーザーにもうれしい上質な紙

こだわったのは、表紙だけではない。当然、中に使われる紙選びにも抜かりはない。「バンクペーパー」「スピカレイドボンド」「サンバレーオニオンスキン」など個性豊かな紙が使われている。特にバンクペーパーとスピカレイドは万年筆の書き心地に定評がある。しかし、これまでスピカボンドやバンクペーパーと言えば、便せんやライティングパッドといった商品ばかりだった。個人的には、こうした万年筆にいい紙を使った普段使いできるノートはないものかとかねがね探しあぐねていたので、待ってました!という感じだ。

■ バンクべーパー

竹尾 ドレスコ ノート竹尾 ドレスコ ノート
THREE DIAMONDの透かし
バンクペーパーならではの
コシとハリのある紙質

竹尾 ドレスコ ノート竹尾 ドレスコ ノート
太字の万年筆で書いても、しっかりとインクを吸いこんでくれる包容力を持った紙だ。滑らかさの中にもひと筆ひと筆書き応えがある。
このとおり、拡大してもインクのにじみはない。太字で書いても筆跡がいつもよりも細く感じてしまうほどだ。


■ スピカレイドボンド

竹尾 ドレスコ ノート竹尾 ドレスコ ノート
SPIKA LAID BONDの透かし
レイド(すの目)模様が美しい

竹尾 ドレスコ ノート竹尾 ドレスコ ノート
万年筆で書いていると、レイド模様がペン先から心地よく伝わってくる
バンクペーパーよりも、ほんのわずかににじみがあるが、日常使いにはほとんど気になるレベルではない

そして、もうひとつは「サンバレーオニオンスキン」という紙、これは初めてお目にかかる紙だった。オニオンスキンというように、まさに玉ねぎの薄皮を思わせる半透明の薄い紙だ。半透明とは言え、トレーシングペーパーとは違い、表面には多少凸凹感がある。こんなに薄くてちゃんと書けるのだろうかと不安がよぎったが、実際に万年筆で書いみると、やや筆跡ににじみは出るもののやさしさあふれる書き味があった。半透明な紙であるため万年筆以外のボールペンや鉛筆で書いても、文字が裏面に透けてしまうのは否めない。これは片面筆記と割り切って使ったほうがいいと思う。これまでとはちっと違う贅沢な気分が味わえるノートだ。

■ サンバレー オニオンスキン

竹尾 ドレスコ ノート竹尾 ドレスコ ノート
SunValley OnionSkinの透かし
まさに玉ねぎのような半透明な紙。薄い紙とは言え、とても風合いがある。

竹尾 ドレスコ ノート竹尾 ドレスコ ノート
一見か弱そうな紙だが、万年筆のペン先をしっかりと受け止めてくれる。
万年筆で書くと、にじみがやや現れるが、この紙ならではの味わいのひとつとして私は好意的に受け取った。

こうした3種類の紙が用意されているのだが、3タイプのノートそれぞれで、製本されているページ数が違う。これは、ノートの背の厚さを統一して、そこに入る枚数をとじこむという方式がとられているためだ。たとえば、薄いオニオンであれば、Sサイズで320ページ。厚めのバンクペーパーなら、同じくSサイズで136ページといった具合だ。さらに言えば、同じ紙でもサイズによってもページ数は違う。普段あまり意識することはないが、こうしてページ数でしめされると、1枚1枚の紙には厚さというものがあるということが実感できる。

表紙に使われている紙の表現力の豊かさ、筆記特性、そしてこの厚みといい、紙それぞれの個性や魅力がドレスコのシリーズ全体からとても伝わってくる。これこそ竹尾が当初考えていた「紙の魅力を知ってもらいたい」ということなのだろう。

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