無印良品 アクリル万年筆 2,100円
つい先日ふらりと地元横浜の無印良品のショップに立ち寄った際に、とてもユニークなペンを見かけ、その楽しさあふれるデザインに誘われて思わず買ってしまった。その名も「アクリル万年筆」。いつもながら無印は、ストレートでわかりやすいネーミングだ。
シンプルな中にも、人の心を揺さぶるものがある
この万年筆の中でひときわ異彩を放っているのが、クリップ。このクリップが、まさにクリップになっているのだ。こう文字にすると、なんとも変てこな言い回しになってしまうので、ここは画像とくとご覧頂きたい。クリップの形をしたクリップ。。
資料などを束ねておく、通称「ゼムクリップ」の名で親しまれているあのフォルムのまま、ペンのキャップにちょこんとつけられている。初めて見たときに、あまりのインパクトに驚いてしまうのだが、そのすぐ後に、考えてみれば、そもそもクリップなのだがらクリップになってもおかしくはないぞ、と不思議な納得感に包まれる。
このクリップ、見た目のユニークさによらず、機能的にもよく出来ている。一般のペンのクリップよりもはるかに小さいのだが、クリップの挟みこむ力はかなりの強さがあり、シャツのポケットはもちろん、ちょっと厚めのノート表紙なんかにもしっかりと固定できる。さすが元クリップだ。こういう使い勝手までしっかりと考えられているところがいかにも無印らしい。
この意表をつく「クリップのクリップ」に気をとられがちなのだが、ボディのデザインもこれまた面白い。
一段細くなっている胴軸 | 細長いボディと 小さなクリップとい組み合わせ |
ボディの真ん中で軸の太さがガクンといきなり細くなっている。よく見てみると、この段差の境目が緩やかなカーブを描いていて、ちょうど竹の節目のようだ。ボディは全体的にスラッとしたフォルムになっているので、余計に竹っぽく感じられる。
この段差ボディとワイヤーを折り曲げたクリップという組み合わせを改めて総合的に眺めてみると、一見不釣合いに見えるこのアンバランスさがしだいに落ち着いて見えてくるから不思議だ。
万年筆の書き味は、、
キャップをはずすとよりシンプルさが強調される
ペンの全長の半分程もある大ぶりなキャップをまっすぐに引っ張ってはずすと、中からふっくらとしたグリップが現れる。このふっくら加減がとても良い握り心地を生んでいる。グリップの先端は、まるでナイフでサッと削られたかのように一箇所だけフラットに仕上げられている。この万年筆、ペン先が少ししか出ていないので、書くときにペン先の向きを確認する必要があるのだが、これがちょうど良い具合の目印になってくれる。また、この削ったような跡が、ペン先とちょうどシンメトリーのようになっているので、単調になりがちなグリップのアクセントという意味でも一役をかっている。
ステンレス製のペン先 | 少ししか出ていないペン先を強調するかのように先軸の先端にはカットが施されている |
ステンレス製ペン先ということと、特に表示はないのだがおそらくEF(極細)のせいだろうか、書き味としてはちょっと硬めな印象だ。ゆったりと書く万年筆というよりも、ボールペン感覚で使うのがちょうどよさそうだ。
たっぷりとした長さがあるので、キャップを尻軸にささなくても快適に握ることができる | 硬質な書き心地 |
万年筆という重々しい筆記具も無印の手にかかると、シンプルでカジュアルなものになってしまう。コレクターアイテムやここぞの時につかう勝負万年筆ではなく、あくまでも生活の中の普段使いのツールとして楽しく使うことができそうだ。
無印良品 アクリル万年筆 2,100円
インクはカートリッジ式
インクはカートリッジ式
<関連リンク>
無印良品オフィシャルサイトの「アクリル万年筆」紹介ページ
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