トンボデザインコレクション Zoom535 |
トンボ鉛筆は1986年から、「書くことの喜びを実感できる、楽しさと機能性」をコンセプトに多くのペンをデザインコレクションとして世に送り出している。実は、日本よりも、ヨーロッパでの評価がとても高く、多くのデザイン賞を受賞している程だ。今回は、そのコレクションの中から最新モデルであるZoom535を取り上げます。これまでのデザインコレクションの中では、ちょっと控え目なデザインで、そのシンプルさゆえに、店頭などでも通り過ぎてしまいそうだけれども、ひとたび手にしてみると、実に考え抜かれたデザインや機能がちりばめられていることに気づかされる。そんな535の隠された魅力やこだわりに迫ってみたい。
静かなる主張を感じるスタイリング
すっきりとしたデザインながら、実は数々のこだわりが隠されている。 |
丸い胴軸がしだいに変化していき、 |
ゴムのグリップとアルミのボディという違うパーツが見事に融合している。 |
滑らかな水性ボールの書き味を堪能する。
Zoom535には、油性ボールペンはなく水性ボールペンのみが用意されている。欧米では水性ボールペンが普及していると聞くが、日本ではまだまだ油性ボールペンの方が一般的かもしれない。小さい手帳に細かい文字を書く時には、油性ボールペンの方が便利だが、ちょっと長めの原稿などを書くときには、筆圧をかけずともサラサラと書ける水性ボールペンが書きやすい。筆圧をかけずとも書けるという点では、万年筆にも似た部分がある。しかし、水性ボールは万年筆と違ってペン先を自由に変えて書くこともできる。そういう意味で言えば、水性ボールペンは気軽に書ける全方位の万年筆とも言えるかもしれない。
水性インクというと、書いた文字が水に流れてしまうというのが一般的だが、このトンボ社の水性ボールペンリフィルは水に流れないという特性がある。通常の水性ボールには、染料系インクが使われている中、トンボ社では顔料系インクを使うことで耐水性という問題をクリアしているそうだ。実際に535で書いた文字に水を垂らしてみたが、全く流れることはなかった。
このZoom535の書き味は、まさにサラサラと心地よい音を奏でながら気持ちよい書き味が楽しめる。紙の上に水性ボールのペン先をそっとおき、緩やかにペンを走らせると、キラキラとした黒のインクが紙にのり、それがすうっと紙に吸い込んでいく。私はこの様子を眺めるのが、とても好きだ。水性ボールペンならではの楽しみだと思う。
細部にまで込められたこだわり
ポケットにさすと、独特なスタイリングのキャップが際立ち、アクセント効果は抜群。 |
バネ式のクリップは見た目以上に広がりを見せる。 |
絶妙な低重心により、快適な筆記を存分に楽しむことができる。 |
535には使い込んでいくたびに、その良さがじわりじわりと伝わってくるものがある。見た目のシンプルさに隠されている、いろんなこだわりを知るたび、愛着が増してくる。これから、水性ボールペンデビューをするという方には、ふさわしい1本となるだろう。
■ トンボ デザインコレクション Zoom535 各 4,200円 |
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トンボデザインコレクションオフィシャルサイト
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