Bespoke Tailor Dittos.がオープン
店内は広めで自然光が差し込む理想的なテーラーだ。1920年代から1940年代のアンティーク家具で統一されている。 |
テーラーでありカッターでもある水落卓宏さんが独立して、10月末に自らのお店「Bespoke Tailor Dittos.」(ビスポーク テーラー ディトーズ)をオープンさせた。
テーラーとカッターの違いを簡単に述べると、
テーラー・・・縫製師のこと
カッター・・・採寸、型紙作り、生地の裁断、補正などを行う人
ということになる。つまり水落さんはスーツ作りの全工程を一人で行うことができるのである。
テーラーでありカッターでもある水落卓宏さん。正統派のブリティッシュ調スーツを作らせたら国内トップクラスだと思う。本音は1番か2番だと思っている(笑)。 |
ここで水落さんの職歴を簡単に説明しておくと、学校法人メンズファッション専門学校を卒業後、メーカーのパタンナーとしてスタートする。その後は銀座の老舗、壹番館洋服店でテーラーとして10年間修行。さらにブリニオーニ銀座本店のマスターカッターを経て、サローネ オンダータでサルト(仕立て職人)として活躍する。そして今回のディトーズである。
ディスプレー用に自ら作った未完成のスーツ。それにしてもハ刺しの細かいこと。凄いです(笑)。 |
Dittosというのは、スリーピーススーツの原型を意味する古語で、1740年代に入って使われだした歴史ある言葉なのだ。ちなみに当時はまだ半ズボンだった。
現在のジャケット、ウエストコート(ヴェスト)、トラウザーズ(長ズボン)の形で登場したのは1830年に入ってから。Dittosという店名からもわかるように、ブリティッシュスタイルの正統派の流れを汲むテーラーなのである。
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