限りなくオーダーメイドに近い
ツイードジャケット/ストライプのシェトランドウールを使用したモデル。チェンジ・ポケットが英国らしい。 |
7月15日~16日の2日間、金洋服店(2代目店主 服部晋氏)の秋冬物ジャケット「プレタポルテ」お披露目会が行われた。
金洋服店といえば天皇陛下をはじめ、皇族方の仕立て屋として有名である。現在でも仕立て技術を探究されている服部氏の向上心には敬服してしまう。
さて、当然だが金洋服店はオーダーメイド、つまり顧客の細かい注文に応じて仕立てるテーラーである。
今回のプレタポルテはそれとは異なり、あらかじめスタイル(3モデル)やサイズ(44、46、48)、生地、ポケット、裏地が決められており、仮縫いが入らないことだ。
ツイードジャケット/写真は綾織のダイアゴナル。後ろのコシ付近にはピンタックが施され、今まで経験したことのないフィット感を味わえる。 |
字面だけでは「これって普通の既製ジャケットでは!?」と思うかもしれない。が、受注生産品として縫製は職人によるハンドメイドの工程数をオーダーメイドと同等に多くとり、完成までじっくり時間をかけている。
表から見えない芯地などもハイクオリティのものを厳選して使用。また、生地もオーダーメイドクラスのものを選び、体型が変化しても着られるように、十分な縫込み(縫い代)を入れている。
オーダーメイドと差別化するために、いちおうプレタポルテと呼んでいるが、作りの内容を見ると、限りなくオーダーメイドに近いといってもいい。
いたるところに30年は着てもらいたいという、店主の思いが込められているのだ。
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