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シャツのモノグラムについて考える(4ページ目)

シャツをオーダーしたときにお願いするモノグラム(イニシャル)。いったいどの位置が正しいのか考えてみた。誰も教えくれないからね。本をひっくり返し、電話取材しまくった調査報告書です! 疲れた~。

倉野 路凡

執筆者:倉野 路凡

メンズファッションガイド

モノグラムは控えめに


モノグラム
モノグラム(イニシャル)をいれてもらったシルバーの名刺入れ。シャツや小物に関係なく、小さくいれてもらうのが望ましい。私物。

現在ではどんな人たちだって自由にモノグラムをいれることができる。べつに貴族でも名門の出身でなくてもかまわない。アメリカの上層中流階級、中流階級、労働者階級だってモノグラムをつけたりする。

エルエルビーンの名作ボート&トートバッグが、モノグラムのサービスを行っている。じつに象徴的な話だ。このようなアウトドア用品であっても、自分の存在を記す必要があるのだろう。

モノグラムの源流をもし王侯貴族の紋章(クレスト)だとすれば、やはり大切にというか、慎重に扱うべきだ。位置付けとしては家紋(ファミリークレスト)の簡易版といったところだろう。

あまり乱用すべきではないし、控えめに用いるのが正しいように思う。そうすれば貴族になれなくても、趣味のよい紳士に見られることはあるだろう。

頼むからカフスには・・・。


リスト・ルージュ
こういうストライプ柄はストライプの1色を用いて刺繍するのが一般的である。シャツはリスト・ルージュのマティアス・ブゥエ氏の私物。

余談だが、SAVOYの沖坂氏にどこの位置につけますかと電話で聞いたところ、「右の下です。ず~っと下のほうで、トラウザーズに隠れるところです」と答えてくれた。なぜ右なのか、なぜトラウザーズに隠す必要があるのかは聞かなかった。

また、海外のシャルベやターンブル&アッサーでオーダー経験のある紳士に聞いたところ、左側の腰あたりにすることが多いそうだ。やはりトラウザーズの少し上あたりということである。

ながながとイニシャルについて書いてしまったが、日本の老舗はお客の好みを最優先するから「ここに入れては変ですよ」とはいいにくいのかもしれない。

利害関係のないボクならいいやすい。「頼むからカフスにいれないでくれ」と。「あと、衿にもいれないでね」

MEN’S EXの熱狂的読者はこういうに違いない。「あのモンテゼーモロ氏はカフスにイタリアの国旗の刺繍をしていたぞ」と。では日の丸をつけてみる?

個人的な結論


リスト・ルージュ
リスト・ルージュでは、ポケットのない場合は左前身頃の第4ボタンの高さのに刺繍が施される。また、カフスにも対応しているのでどうしてもという方はどうぞ。あくまでも控えめに。2006年秋冬の生地コレクションより抜粋。

ボタンダウンカラーの場合・・・もともとカジュアルな要素が強いので、たとえオーダーでも胸ポケットをつけてもいい。なので、胸ポケットの中央もしくは上部に手刺繍で小さくいれてもらう。

ワイドスプレッドカラー他の場合・・・スーツに合わせるドレスシャツになるのでポケットは省略する。なので、ウエストから少し上のところに手刺繍で小さくいれてもらう。

もし文字の高さが5ミリ程度にできるならミシン刺繍でもかまわない。刺繍糸は同系色が基本だが、誰にも見せないことを前提に、少し派手な色にするかもしれない。

今回はシャツのモノグラムについて話したが、他の持ち物にいれる場合も同様に、文字は小さく控えめにするのがいいだろう。

[関連リンク]
リスト・ルージュのシャツが完成!

以前リスト・ルージュのシャツを紹介した記事です。
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