スーツ・ジャケット/ファッション小物

流行に左右されない王道センス2(3ページ目)

好評だった「流行に左右されない王道センス」の第2弾です。前回同様に基本的な着こなし(ネクタイ、シャツ、靴)について提案しています。スーツをうまく着こなす参考にしてください。

倉野 路凡

執筆者:倉野 路凡

メンズファッションガイド

ジャケットスタイルにスリッポンを!


スリッポン
キルティ・タング(短冊状に刻まれた長いタング)が付いたスリッポン。最近このタイプのスリッポンを店頭で見かけません。とうぜん街中で履いている人も見ません。とっても残念です。それにしても洗練されないこのフォルムを見てください。英国のカントリーや米国東海岸の雰囲気が漂っていますねー。フランネルやツイード、コーデュロイといった素朴な素材とよく合います。旧チャーチのスリッポン。私物。
最近見ませんね、タッセル(房飾り)とキルティ・タング(短冊状に刻まれた長いタング)が付いたスリッポン。

昨年あたりエドワード・グリーンがタッセル・スリッポンを発売し、雑誌で少し注目されていたようですが、あまりブームにまではなりませんでした。このタイプは日本で人気がないためか、店頭でもあまりないです。

しかしこのタッセル・スリッポンは、なかなかどうしてお洒落です。ハケットのジェレミー・ハケットや、靴好きで有名なロイド・ジェニングスも所有していますし、往年のハリウッドスター、ケイリー・グラントも愛用していました。


ではイギリス人好みなのかというとそうでもなく、マリアーノ・ルビナッチマリオ・カラチェニの靴コレクションにもバッチリ載ってます(最高級靴読本Vol.2)。

つまりこのスリッポンもニット・タイ同様に世界的な定番アイテムということです。

旧チャーチのスリッポン
旧チャーチのスリッポン(上の写真)の表記。69Rはラストナンバーでしょう。STA~はモデル名です。なんと読むのでしょうかね。このタイプはもう作ってないでしょうが、タッセル・スリッポンはまだ製造しているようです。私物。
残念ながら日本人はこのスリッポンを、モカシン縫いのカジュアルなローファーと同一視しているようで、ビジネススタイルには不向きといった間違った認識があるようですね。

たしかに紐靴にくらべたらカジュアルですけど、ジャケット&パンツのときには涙が出るほどバッチリなコーディネートなんです。

いまの季節ならグレーフランネルのパンツにネイビーのブレザーを羽織ると、ぐっと大人の着こなしになります。

英国靴ブランドならこのスリッポンを作っているかと思い、さっそくチャーチの新しいカタログを見てみると、やっぱりありました! 『HARROW』と『KEATS 2』です。さすが老舗は違います。といっても日本に輸入されているかは不明です。

もっと見かけないのがキルティ・タングのタイプ。ときどき紐靴で、キルティ・タング部分を取り外せるモデルは見かけますが、まあ、スリッポンではないですね。ロークのカジュアルなローファーなら見かけますが・・・。

タッセルタイプが都会派なら、こちらはカントリーの匂いがします。アーガイルのソックスにツイードやコーデュロイあたりの素朴なパンツがよく似合います。

この2タイプはトレンドとは関係のない、クラシックな靴です。機会があればぜひアイテムに加えてほしいです。


次のページは、「スエード靴で上品な雰囲気を演出する」です
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