英国服地の聖地 ハダスフィールド
1883年創業のテーラー&ロッヂの外観。レンガ作りというのが泣かせます・・・。 |
英国中部に位置するこの地は、テーラー向けの高級服地を生産するミルが多いことで知られている。一方、既製服に使われる大量生産のものはブラッドフォードに集中する。
今シーズンとくに注目されている(と信じている)のが英国服地を使ったスーツやジャケット。
スーツのスタイルに関しては各メーカーやテーラーによってさまざまなので、まずはどんなところで英国服地が作られているのかを紹介していこう。
ミルとマーチャント
テーラー&ロッヂ社長ゴードン・ケイ氏と、神田の老舗マーチャント、マルキシの岸秀明氏。テーラー&ロッヂの輸入も行っている。 |
マーチャントは生地商社のことで、英国ならハリソンズ・オブ・エジンバラをはじめホーランド&シェリー、スキャバル(本社はブリュッセル)など。
今回はハダスフィールドの名門ミルであるテーラー&ロッヂの生産工程をとおして、英国服地の魅力を追いかけます。
名門ミル テーラー&ロッヂ
現在使われている自動織機は、一昔前のドブクロス織機に比べて高速化している。ただクオリティーに応じて、マキシマムスピードの70%にまでスピードを落として、ハイクオリティーの維持を図っている。 |
それに対応するため、高品質かつバラエティーに富んだ服地を生産しているのだ。
工場内には現在使われている自動織機の他に、昔ながらのドブクロス織機もあり、こちらは非効率のため製品を織ることはない。
現在では色柄のサンプル見本を作るときに使われているドブクロス織機。 |
これは余談だが、3~4年ほど前に大阪のビスポークテイラーDMGが、ハダスフィールドにある某工場のドブクロス織機を使って、試行錯誤の末にメジャーストライプ柄の服地を作ったことは有名な話だ。