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フランス製の最高級オーダーメイドシャツ

フランスのオーダーメイドシャツのなかでも隠れた存在なのが今回紹介するリスト・ルージュ。上質の生地や縫製の良さも魅力ですが、衿型がすごくいいです。この秋、フランス製のシャツの魅力を堪能してください。

倉野 路凡

執筆者:倉野 路凡

メンズファッションガイド

隠れた老舗リスト・ルージュ

リスト・ルージュ
1938年に創業したリスト・ルージュは、フランスのノルマンディーにアトリエを構える老舗です。
フランスのオーダーメイドシャツといえばシャルベやランバンが有名ですが、今回紹介するリスト・ルージュはパリではよく知られた存在です。

日本でこそあまり知られていませんが、顧客には医者や弁護士、エグゼクティブな人たちが多く、かなり高級なブランドです。

リスト・ルージュはフランスのノルマンディーで1938年に創業した老舗で、その後パリに進出し、一時ヴァンドーム広場の一角に店舗を構えていたそうです。1998年にフォーブルサントノレ通りに移転し、洒落た旗艦店を構えています。

リスト・ルージュ
パリのフォーブルサントノレ通りに旗艦店を構えています。
このブランドの特徴は1976年から開始したメールオーダーのシステムです。
一般にシャツをオーダーする場合、お店に行って採寸してもらい、好きな生地を選び、好きなデザインで誂えてもらうのが、まあ、普通です。

ところがここは自分で採寸したデータをもとに仕立ててもらうというのが基本です。
具体的に手順を説明すると、まず年2回発行(春夏/秋冬)される「生地コレクションカタログ」を取り寄せます。このカタログには本物の生地と同じ見本が貼ってあり、それぞれに値段も書いてあります。イラスト入りで採寸方法が詳しく載っているのでそれに従って採寸します。その数値と特徴を注文書に記入するわけです。


リスト・ルージュ
エグゼクティブ ディレクターのマティアス ブゥエ氏。オプションでこんな斜めストライプにもできます。
たとえば以前どこかでオーダーしたお気に入りの見本になるシャツがあれば採寸しなくてもOKです。そのシャツを郵送すれば、それをもとに型紙を作ってくれます。その見本になるシャツは東京経由でフランスのノルマンディーにあるアトリエに届きます。職人さんがそのシャツを見て型紙を作るというわけです。その見本のシャツは出来上がったシャツとともに返送してくれます。

自分で採寸する自信がなく、また見本になるようなシャツがない場合は、東京近郊になりますが、東京ショールームで採寸して注文することができます。※完全予約制


デザインの豊富さとこだわり

リスト・ルージュ
衿型は18型。カタログに載っていないものでも、参考になるものがあれば作れます。
衿型も載っているだけで18型、カフスは11型、裾のデザインは4種類。他に前立ての有無や後ろ身頃のプリーツも選べます。カタログに載っていない衿型でも参考になるものがあれば作れるとのこと。また、イニシャルは最近では珍しい手刺繍で入れてくれます。こちらはオプションなので別料金がかかります。

衿の芯の硬さ、フラシ芯と接着芯などは、衿型や生地なども考慮して選べるようです。一方、ボタンは天然貝ボタンで、白、黒、紺、赤、グレーなどから選べます。カジュアルな角ボタンも用意されています。


リスト・ルージュ
カフスは11型。なかにはダブルカフスの部分が取り外しできるタイプもあります。バリエーションは豊富。
袖と身頃を別々に作って、後から縫製する袖付けも、相談次第でできるようです。ただし、生地やデザインによって難しいかもしれないので、詳しくは直接相談してみてください。

すべてのシャツはシングルニードル縫製(巻き伏せ本縫い)によって仕立てられます。この縫製は最高級のシャツに採用されることが多く、細部にわたり縫い目も綺麗で、丈夫な仕上がりが特徴です。

世界中に顧客がいるはずですが、縫製はノルマンディーのアトリエだけで行います。
しかもシャツ職人の数はわずか15人ほどだそうで、大量生産ではないのです。ライセンスもやっていませんから、完全なフランス製なんです。


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