現在では珍しいトップ染め


ラボットのツイード生地
写真ではわかりにくいが1本糸のなかに何色か混ざっている。発色がいいのもトップ染めの特徴である。
この発色のよさを支えているのはトップ染め(バラ毛染め)と呼ばれる染色方法にある。通常は糸の段階で染めるが、このトップ染めは糸にする前の繊維の状態で染めている。

その後の糸にする工程でミックス糸となるのだ。だからルーペで見ると1本の糸のなかにさまざまな色の繊維が混ざっているのがわかる。


ラボットのツイード生地
これが本物のリアル・ツイードだ。オレンジ色が効果的に使われている。
この染色方法によって発色がよくなり、色にも深みが増すのだ。さらに色の堅牢度(色がさめない)に優れている点も特徴といえよう。


ラボットのツイードを構成する基本の5色
糸になる前の繊維の段階で染めるのがトップ染めの特徴。ラボット・カラーと呼ばれるこの5色で複雑な色の糸を作ることができるのだ。
昔からある霜降りグレーのスーツ地もこの染色方法である。また同社にはラボット・カラーという基本色があり、5色に染められた各繊維の組み合わせによって、さまざまな表情の生地に仕上がるというわけだ。


テフロン加工が施されている
糸の段階でテフロン加工が施されている。これによって水をはじき、生地を傷めない。
もともとツイードは耐久性がある生地だが、ラボットのリアル・ツイードは糸の段階でテフロン加工を施している。これによって水滴が生地に染み込むこともなく、ジャケットに仕立てたときに型崩れしにくいのである。

他のメーカーでもテフロン加工を施した服地はあるが、ほとんどのものが織り上がった服地の上から加工している。


テーラー アスコットで作るパターンオーダー・ジャケット


テビオテックスの織りネーム
テビオテックスの名で海外に輸出されている。ブランド名は明かせないが、超高級既製服ブランドもじつはここの生地を使っているのだ。
現在このリアル・ツイードの生地は「テビオテックス」の名でヨーロッパの高級既製服ブランドに供給されているが、日本では京橋に店舗を構えるテーラー アスコットでのみ、この生地を使ってジャケットを仕立てることができる。


ジャケットはパターンオーダーで作ってくれるため、ビスポークに近い体に合ったものが完成する。もちろん好きな柄の生地を選べ、フロントボタンの位置やウエストの絞り具合、センターベントかサイドベンツか、チェンジポケットの有無や、スラント(斜め)ポケットの対応までしてくれる。

ただし、縫っているのは英国ではなく国内の腕のいい縫製工場である。スーツやジャケットの縫製は国内が最高でしょう、やっぱり。

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