ウィルス&ガイガーのサファリ・ジャケットがお手本


モガンボのポストカード
1954年に公開されたアメリカ映画の「モガンボ」。主演のクラーク・ゲイブルが着用したサファリ・ジャケットはウィルス&ガイガー社製であった。
サファリ・ジャケットといえばアメリカを代表するブランド、ウィルス&ガイガーが有名だ。

これまでにも多くの冒険家たちにアウトドア・ウエアを制作してきた経緯があり、大西洋を単独飛行したリンドバーグをはじめ、エベレスト登頂に成功したヒラリー卿、A-2を着用したマッカーサー元帥など、そうそうたる顔ぶれが揃う。


吉田スーツのサファリ・ジャケット
これが吉田スーツのサファリ・ジャケットだ。デザインはウィルス&ガイガー社のものをベースにしている。写真の商品は価格6万900円。
なかでもサファリ・ジャケットは同社を代表するアイテムで、セオドア・ルーズベルト大統領が引退後に、東アフリカをサファリした際に着用したといわれている。

映画では1954年に公開されたジョン・フォード監督の「モガンボ」のなかで、クラーク・ゲイブルとグレース・ケリーが半袖のシャツタイプを着ていた。

一時期日本でも有名百貨店に店舗が入っていたが、あえなく撤退。'90年代にランズ・エンドに買収され、現在は活動を停止しているようだ。よって現行モデルは海外でも入手できない状態。

余談だが同じくアメリカブランドのアバークロンビー&フィッチが考案したモデルが、その原型といわれている。


吉田スーツのサファリ・ジャケット、その名はモガンボ!


吉田スーツのサファリ・ジャケット
背中には動きやすいようにプリーツが入る。
そこで朗報! 国分寺に店を構える吉田スーツがサファリ・ジャケットを手掛けているという情報をキャッチ! このテーラーは昨年の4/19にオープンしたばかりだが、店長の吉田務さんはなかなか研究熱心な方である。

で、実際にサファリ・ジャケットをこの目で見てきましたよ。黒のリネンのサファリなんて初めて見ましたね。なんとモデル名は映画と同じく「モガンボ」だ。泣かせるねえ~。


フラップ付きのプリーテッド・パッチ・ポケット
胸のポケットは収納に優れるプリーツ入りのタイプ。もちろんフラップ付きだ。
デザインのベースはやはりウィルス&ガイガー社製のそれで、両胸にはフラップ付きのプリーテッド・パッチ・ポケット、肩には肩章(エポーレット)が付く。ベルトは共地のバックル留めタイプだ。


両肩の肩章
両肩にはトレンチ・コート同様に肩章が装備されている。
肩章(エポーレット)はトレンチ・コートにも見られる意匠で、映画「モガンボ」のなかのクラーク・ゲイブル着用モデルにも装備されている。


ベルト
ベルトがずり落ちないように、ベルトループに大きなループを通している。
面白いのは共地のベルトで、スルスルと抜け落ちないようにループで留めている点だ。

つまり、ウィルス&ガイガーの原型サファリ・ジャケットのベルトが背中で縫いつけられているのに対し、吉田スーツ・バージョンは取り外し式に改良し、脱落防止のための工夫が施されている。これによって着心地と見栄えが格段にアップしたのである。


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