佐藤氏いわく「袖付けがフワ~と仕上がっています。これは全体にいせ込みをしているからなんです。ナポリ風にギャザーを入れたりしない分、かなりの職人技が必要なんですよ。とてもリッチな雰囲気が漂っています」。
素人目から見ても凄いと思う。スーツの場合、ウール素材だから(伸縮しやすいから)アイロンワークでいせ込みしやすいと思うのだが、細番手の生地でも可能なんですね。普通ならギャザーでごまかすだろうなあ~。
また、衿の芯はふらしで、ややかためで弾力があるそうだ。もちろん接着芯ではないので後々バリバリすることもない。なにより衿の返しの縫製技術が高い! このあたりは素人が見てもわかりにくい。ボクもよくわからなかったが、美しい衿だと直感した。
少しディテールにも触れておこう。ボタンホールは手縫いで、裾にはガゼット(補強布)、あまり厚くない白蝶貝ボタンがつく。このあたりは着心地とは関係ないのでサラリと流して・・・。
むしろハンドによるイニシャルに感動! こちらは標準仕様なので価格に含まれているのだ。
ミラノという場所柄か、ナポリのような土着的なデザインではなく、オーソドックスでインターナショナルな洗練されたシャツである。またこの4月から取り扱っているローマのオーダーシャツは1枚6万円。4枚から注文できるそうだ。
こちらはカルロ・リーバの最高級生地を選べて、しかも仮縫い付き。素晴らしい質感が魅力だ。まあ、納得できる価格ではある。余裕のある方にはおすすめしたい。