冬のスーツはフランネルに限ります
柔らかい風合いが着心地も、見た目も抜群です photo:石井幸久(m.m.blue) |
平織り、または綾織りのウール生地を縮絨して起毛加工する「フランネル」は、厚手になると「メルトン」、薄手になると「サキソニー」と呼ばれます。最近ではカシミヤやアンゴラなど、高級獣毛を混紡したものもあり、こちらはさらに保温性が高く温かさも格別です。タッチも柔らかくなるうえ着心地も軽くて快適そのもの。こんな高級フランネルなら、冬でもコート要らずで過ごせます。
女性へのアピール力もあるんですよ。その柔らかそうな表面感は見ているだけでも温かそうなので、傍らの女性に「触れてみたい」と思わせるようです。デートのときなど、フランネルスーツを着ていると彼女との距離がぐっと縮まるかも…。
このフランネル、かつての英国では寒さの厳しい地域で愛用されたことから、カントリージェントルマンの基本服とされてきました。そのためヨーロッパの他国では「田舎くさい」と敬遠されていたようです。しかしお洒落上手で知られる英国貴族、エドワード8世・ウィンザー公が愛したことで「フランネル=お洒落」と広く認められるようになりました。「スーツの生地は艶と光沢」という考えは、イタリア的なトレンド観によるものなので、英国的トレンドに則ればばツイードやフランネルこそ冬の定番。今年の冬こそ、フランネルに挑戦してはいかがでしょう。
次のページでは、具体的にフランネルのスーツでご説明します。