採寸時に、敢えてBDシャツをお願いしました。生地は最高級の極細綿で(名前を忘れてしまいました!)非常にテロテロで柔らかい。そんな生地のBDっていう依頼を、どう仕上げてくれるのか確かめてみたかった。ドレスなBDといえば、バルバやボレッリが浮かびますが、襟羽はショートにしてもらって、あえてロールは小さくというオーダーにしました。
もはや芸術的な衿羽根の仕上げ
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襟羽根の先端の良し悪しでシャツの表情は決まります。ちなみに、BDのボタンホールも手かがりです photo:石井幸久 |
衿羽根の先の縫い合わせはお見事! の一言。表側と裏側の生地を合わせて裏返して縫い合わせますが、ここをしっかり仕上げないとシャツの顔がだらしなくなってしまいます。もちろん、衿芯は接着芯ではなくフラシです。
ギャザーの幅がバラバラ
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ぐしゃぐしゃで微妙なギャザーです。日本のシャツだと、ここがきちんと等幅ギャザーに仕上がっています。もちろんアイロンがけしにくいことこのうえなし photo:石井幸久 |
カフスのギャザーはシワが一定ではなく、日本だったら卸先からクレームがくるぐらいバラバラ(笑)。でも、このギャザー部分がしっかり手首(よりちょっと腕より)の部分にフィットして、カフスの先端(袖先)は、少し余裕があります。このおかげで袖先が親指の根元に干渉しません! ときどき袖先が固く手に刺さるシャツありますよね。
前立て下10cmのステッチは何のため?
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これがあると、アイロン掛けがスムース photo:石井幸久 |
前立ての下部分だけに折り返しを押さえるステッチが入っています。こちら、ボレッリのシャツでも謳われているんですが、アイロン掛けをスムーズにする知恵だとか。ナポリのシャツにはよくあるようです。当然、上(見える部分)部分にはステッチ(裏前立て仕立て)が出ないのでドレッシーな仕上がりとなります。
飛び飛びの肩周りの袖付けステッチ
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アームホールの周りを、ステッチ幅も適当な感じで縫ってますが、ここをきっちり縫うと、着心地が硬くなってしまいます。photo:石井幸久 |
これも、びっくりするぐらいの飛び飛びステッチ(笑)。このゆるさが腕の稼動をよくするものだそうです。確かに、このシャツ、生地は綿100%ですが、肩から腕を回すとストレッチみたいに伸縮性を感じます。これが適当(に見える)ステッチの効力であり、ナポリシャツの魅力です。
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実は半年前から5kgぐらい痩せたんで、ちょっとシワが多いですね。これから年末年始なので、ちょっと肥えるかもしれませんが |
日本では百貨店やソブリンハウスなど大手セレクトショップでも扱われています。伊勢丹ではパターンオーダーも受け付けているようです。
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マリア サンタンジェロ