英国の伝統においては「シャツは下着」という考えが根付いており、人前でジャケットは絶対に脱がないものでした。どうしても脱ぎたいなら、スリーピースを着るべき。ジャケットを脱いでもウエストコート=ベストを着ているので下着姿ではありません、というのが英国紳士の慣わしなのです。
とはいえ、ここは日本。しかも現代。オフィスではジャケットを脱いで仕事をすることが多いはずです。ならば、シャツに気を使ってしかるべき。シャツを選ぶなら、自分の身体にフィットし、かつしわになりにくいものを着るべきです。
日本人の体型に合わせた「立体Xシャツ」
右/テーラードフィット8295円 左/コンフォートフィット9345円 Photo:石井幸久 |
コレまでのベーシックフィットに、テーラードフィットとコンフォートフィットの2タイプが加わり、フィット感とシルエットをさらに向上させました。それでは、順を追ってディテールを見ていきましょう。
着心地の良さのヒミツとは?
オックスフォードよりも滑らかなピンポイント素材。綿ならではの肌に優しいタッチはそのまま。 Photo:石井幸久 |
ほどよく開いた衿羽根は、今風の小さめノットとバランスが良好です。 Photo:石井幸久 |
バックヨーク(肩部分の横布)と後ろ身頃との縫い目は曲線になっています。 Photo:石井幸久 |
「人間の身体に直線部分はない」とは、イタリアのテーラーの言葉ですが、シャツにも直線を用いず、曲線で仕立てることが大切だということがよくわかりますね。
次のページでもシャツのディテールを紹介します。