実は、『浦島太郎』のアメリカ版と言われている『リップ・ヴァン・ウィンクル』という物語があります。アメリカの作家ワシントン・アーヴィングによって19世紀に生み出された短編小説です。そこに登場する、時間の流れに取り残された主人公から取ったブランド名には、時代に左右されることのないポリシーを持っている人に着てもらいたいという願いが込められているのです。
『リップ・ヴァン・ウィンクル』という物語は、松田優作主演の映画『野獣死すべし』でも引用されています。この映画のハードボイルドな主人公も、ブランドのイメージソースのひとつとなっているのではないかと、勝手に想像しているのですが…
ポリシーを守りながら、絶え間なく進化
ウール×ステンレス素材のジャケット6万1950円、カーキのタイダイ染めカットソー1万2600円、パラシュートパンツ4万4000円/リップヴァンウィンクル(リップヴァンウィンクル TEL.03-5784-3097) photo:石井幸久 |
リップヴァンウィンクルは、めまぐるしく変貌を遂げる現代社会の中、伝統を生かしつつ新しさを加えることで、「クラシックとコンテンポラリー」、「落ち着きと洗練」の調和を守り続けています。
追及するのは「変革」ではなく「進化」。クオリティアップを図るために常に素材を吟味し、カッティングにこだわり抜き、クラフトマンシップとともに本物だけを作り続けているのです。
上の写真のアイテムもこだわりが満載です。武骨なイメージのジャケットは、ウールにステンレスを加えた素材を使用。そのラメのような煌きが、バランスの良いシルエットとともに今季らしさを演出しています。ミリタリーテイストのパンツは、パラシュート部隊のパンツをベースにした機能的デザインと、洗練されたシルエットが絶妙に融合しています。
体に馴染み、着心地を楽しめるアイテム
ラグランスリーブのニット。カラーは上から、チャコールグレー、ライトグレー、ダークレッド、パープル、ボルドー。各1万7850円/リップヴァンウィンクル(リップヴァンウィンクル TEL.03-5784-3097) photo:石井幸久 |
「良いものは良い」という主観的かつ確固たる信念は、お洒落な人なら必ず持っています。自らの物差しで厳選し本当に良いと思えたアイテムは、数色揃えたり、代替わりで着続けたりしながら、長く愛用しているものです。
リップヴァンウィンクルのコンセプトのひとつにも、一定時間着ることで育まれる体に馴染んだ着心地を楽しんでほしいという想いがあります。また写真のニットのように、シンプルで長く使い続けられそうなアイテムはカラーバリエーションが豊富に展開されています。
次のページでは、リップヴァンウィンクルのさらなる魅力を掘り下げます。