現在のプジョーにおいて、ベストなライドフィール
最高出力156ps/最大トルク240Nmを発生する直噴1.6リッターツインスクロールターボを搭載。組み合わされる6ATは日本での走行パターンにも考慮されている |
まあ、そんなこともあって、別にそれほど期待もせずに乗ってみたわけだが……。いやはや、驚いてしまった。乗るとめちゃくちゃいい。ひょっとすると今現在のプジョーラインナップの中で、ライドフィール・ベストバイかも。
ロール、ピッチをきれいに、違和感なく抑えこんだ走りは、いかにもプジョーらしいもの。ネコ脚は言い古された表現だけれども、やっぱりそう言った方が、雰囲気もよく伝わるような気がする。ベースとなった308系と比べれば、車高があって重量もあるぶんだけ、重厚さと懐の深さを感じることができるのだ。
308に比べてひと回り大きいにも関わらず、狭い道でもずんずん入っていける。視界がよく、ノーズの動きが自然だから、大きさを気にすることなくドライブできるからだ。ミニバンやSUVとはまた違った、走りのテイストもクロスオーバーになっている。
パワートレインも必要十分。ファミリーカーとして過不足ない。ラゲッジルームの使い勝手もいいから、デイリーツールとしてとても上出来。ミニバンのように所帯くささがないぶん、一人で乗っていても様になる。正に、オールマイティ。
ポップアップ式の半透明な情報ディスプレイが備わる。約1.7平方mの大きさをもつフロントウインドウと約1.6平方mのパノラミックガラスルーフにより、室内は明るく開放感がある |
4ケタ数字の車名には、今までとはひと味もふた味も違うラインナップである、というプジョーのこだわりがある。確かに、3008の機能性、性能には、こだわるだけの価値があった。走りがこれだけいいと、大嫌いだった形も少しはマシに見えてくるから不思議なものだ。
プジョーファンはもちろん、初めての輸入車という方にもオススメしたい一台。3008の乗り味には、他のプジョー車以上に、個性や異文化感があると思う。
少なくとも、国産の最も売れている高級サルーンよりは、長く乗っていたい、もっと運転したい、と思うクルマだった。
上下2分割式テールゲートを採用。ホビーテールゲートと呼ばれる下部はベンチシートにも使える。ラゲージ容量は通常時が432リッター、最大で1241リッターとなる |