もうこういうクルマは出てこないかも……
サスペンションには油圧とエアを使ったハイドロニューマティック・アクティブサスペンションを採用。走行状況などにより車高の調節を行うことが出来る |
2900mmのロングホイールベースにより広い室内を実現。電動スライドシートなどで後席をより快適にするラウンジパッケージをオプション(29.5万円)で採用する |
高速クルージングで快適なのは、同乗者だけじゃない。ドライバーだって、至極、気分がいい。路面にへばりついて離さないドイツ系とも、路面に遠慮しながら従う国産系とも、はたまた路面と喧嘩しながら突き進むイタリア系とも違って、なんか道の裏側と肩を組んで手をつないで仲良しこよしで走る感覚。だから慌てようにも慌てる気にならなし、仮に慌ててしまっても素晴らしい安定感をみせる。こんなクルマ、ほかに今、もうない。
それにさあ、この表情がたまらないじゃない?クルマの顔って、今、どんどんいかつく怖く恐ろしくなってきている。吠え面が多いし。シトロエンも例外じゃない。けれど、デザイン世代がひとつ古いこのC6には、まだそれがない。ユーモラスだけれども、やるときはやるという意思の強さもある。だから、高速で走っていると、けっこう前もどく。デザインだけで威嚇してないというか、何と言うか。
レトロモダン系でもないかぎり、当分、こんなクルマは出てこないかも……。そんな気配を知ってか知らずか、最近、近所でC6をよく見かける。中古車相場もなかなか下がらないってことは、見る目のある人が買い始めたということ。新車がなくなってから買いたい人が殺到するパターンだね、きっと。ルノーのアヴァンタイムみたいに。本当に欲しい人は、お早めに……。