シトロエン/シトロエン

スペシャルなのに超実用車、シトロエンC3

超の付く実用車でありながら、屋根まで伸びた大きなフロントウインドウをもつ“スペシャル”なコンパクトハッチバックのC3。このウインドウの開放感で自然の一部を手に入れて、同じ道を走る他の人よりほんの少し幸せになれるはず。同クラスの国産車と比べると割高ではあるものの、日々少しづつ積み立てられていく幸せ感がこのクルマにはある。

西川 淳

執筆者:西川 淳

車ガイド

他のクルマよりもほんの少し幸せ

シトロエンC3

2010年にモデルチェンジを果たした5ドアのコンパクトハッチ。国内にはベーシックモデル(209万円)と装備を充実させたエクスクルーシブ(239万円)をラインナップする。サイズは全長3955mm×全幅1730mm×全高1530mm

シトロエンC3

フロントウインドウは前後1.35m、左右1.43mの大きさを誇るゼニス フロントウインドウを採用。垂直方向の視界が最大108度を誇る

同時に出たDS3ばかりが目立つけれど、実はC3の方がスペシャルじゃないかと思ったり。というのも、たとえばC3を上から見た写真を見て欲しい。

どう? 凄いでしょう??

フロントウインドウが屋根まで伸びていて、ルーフのまん中あたりにメッキの窓枠がある。ミニバンのC4ピカソで取り入れた手法を、なんとコンパクトカーの、しかも(DS3ではなく)よりフツウな方の車種に採用してしまった、ってあたりがいかにも“ヘンコ”なシトロエンらしい。

シトロエンC3

シートはベーシックモデルがブラックかグレーのべロ地、エクスクルーシブがブラックのアルカンターラ&ファブリック地を採用した。レザーもオプション(20万円)で用意されている
 

継ぎ目のない、大きなウインドウの効果は絶大で、乗っていると実に開放感たっぷり。晴れの日はもちろん、雨や雪の日、そして夜でも、なんかこう自然の一部を手に入れて得した気分になる。そういう日常って、同じ道を走っている他の人よりもきっと、ほんの少しかも知れないけれど、幸せなはず。

もちろん、クルマとしては超の付く実用車である。大人4人が気分よく移動できるパッケージ(乗車定員は5人)。ダッシュボード周りのデザインがちょっとだけ凝っていて、そのぶんオーナードライバーへの心配りが利いているのかも。乗り心地はといえば、このサイズで初めてシトロエンらしさを、少しだけ手に入れた。

シトロエンC3

最高出力120ps/最大トルク160Nmを発生する1.6リッターエンジンに、MTモードを備える4ATを組み合わせた

日本車で言うと、ヴィッツやフィットクラスである。輸入車ではフォルクスワーゲン・ポロやプジョー207がライバル。200万円前後という価格。求め易いとも言えるけれど、同じクラスの国産車に比べればかなり割高でもある。けれども思い出して欲しい。このクルマには、日々少しづつ積み立てられる幸せ感が余分にある。

チリも積もればヤマとなり……。それが幸せのヤマだったとしたら……。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます