VW(フォルクスワーゲン)/ゴルフ

ゴルフGTIがこんなに楽しい訳(2ページ目)

6世代目となるVWゴルフにスポーティモデルのGTIが追加されました。先代ゴルフでは20%以上を占めた人気モデルの新型に試乗。さらに進化したその走りは……。

西川 淳

執筆者:西川 淳

車ガイド

世界一のクルマ好きが作っている

VWゴルフGTI
最高出力211ps/最大トルク280Nmを発生する2リッター直噴ターボエンジンを搭載する。デュアルクラッチトランスミッションの6速DSGとの組み合わせで、旧型より11psアップさせつつ燃費は約3%向上。10・15モード燃費は13km/lとなった

買うなら、DCCと18インチホイールをオプション(+21万円)で絶対選ぶべきだ。選ばないなら新型GTIを買う意味がない、安い先代の中古を探せと言いたい。そして、この仕様なら、XDSとあいまって、知的に喜々と運転を楽しむことができると思う。好みのセッティングで走り出し、電子デフの効きを予想して、より鋭く速いコーナリングを楽しむ!ただの猿では楽しみきれない領域が、新型GTIにはある。ちなみに、ホットウィールのような格好いいルックスを手に入れるためにも、18インチは必須だ!

18インチになっても決して乗り心地は崩れない。コツンコツンと硬さを感じるが、収まりが短くきれいなので、不快じゃない。むしろ小気味良い。スタッカートが利いている感じ。ステアリングフィールはほどよくダイレクトで、エンジンレスポンスはあくまでシャープ。そこにDSGのキレ味が加わって、いっきに心はヒートアップ。知らない間にまた猿に変身ってわけ。

そのときには、ちゃんとワインディングロードにいたい。そして、とにかくクルマを信じて、素直にハンドルを切り、アクセルを踏み、ブレーキを使う。もうそれだけで、ゲームをしているように楽しめる。適度にラウドするエグゾーストサウンドも、猿がゴリラの遠吠えを発するようで、とても楽しいし気分もいい。

もちろん、街乗りでも何だか愉快。音だけはけっこう響くけど、それ以外は割と出しゃばらない。それでいて、動きが心地よく正確だ。だから、流していても気分がとてもいい。やっぱりホットハッチって、都会人のためのスポーツカーなんだと思う。実用性はゴルフそのまんまなんだからね。

それにしても、どうしてただのハッチバックにすぎないゴルフが、こんなに楽しいクルマに変身するのだろう? ゴルフにできるなら、他の同じようなカタチの国産車だってできそうなものなのに……。どうして??

きっと、作っている人間のクルマ好き度とか、ドラテク習熟度とか、クルマ文化度がずば抜けて高いんだろうね。間違いなく、仕事を半分忘れて楽しんで作っている。そうじゃないと、フツウのクルマがこんなに楽しい乗り物にならないよ。もっとも、フツウのゴルフだって国産スポーツハッチ以上に気持ちよさを楽しめたりするんだけれども。

あと、全体的にスポーツバージョンなのにオシャレ。ツボを知っているね、彼らは。内装のチェックといい、グリルの赤線といい、伝統と言ってしまえばそれまでなんだけど、それをモダンに生かす方法を知っている。そのセンスがいい。どでかいホイールなんかもそうだ。こういうの、本当にクルマが好きじゃないとできないと思う。

結論。VWの人たちは、世界一クルマ好きかも……。

VWゴルフGTI
インテリアトリムやパネル類をブラックで統一。ステアリング、シフト、ハンドブレーキなどには赤いステッチやクロームパーツが施されスポーティさを演出する

VWゴルフGTI
GTI伝統のチェック柄を用いたファブリックシートが標準で備わる。オプションでレザーシート(27.3万円)も用意される
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