クルマ好きにはマジたまらんぞ昇天ウィーク
ゴルフコース場に並べられた名車たち。これはフェラーリのコーナー |
ちょうどお盆休みの時期。ボクは例年、アメリカ西海岸の小都市モンテレーあたりで過ごす。“ええかっこ”しているわけじゃない。 もちろん、別荘があったりはしない。毎年、八月第二週から三週の末にかけて、その周辺で大規模なクラシックカーイベントが集中して開催されるからだ。クルマ好きにはマジたまらんぞ昇天ウィークと(今勝手に)ボクは名付けている。イベントの中身は、ヴィンテージカーやスーパーカー、レーシングカーのオークションあり、 レースあり、パレードあり、コンクールあり、といった具合で、カリフォルニア中のクルマ好きも集まる(もちろん愛車で彼らはやってくる)。だから、イベント内外、町中がクルマ好きで溢れる一週間になるというわけだ。日本じゃちょっと考えられないよね。
今年も木曜日に現地入りした。サンフランシスコ空港でレンタカーを借り、海岸沿いをいっきに南下する。走ること2時間半、サンドシティの定宿(ピンク色のホテルでよく目立つ)が高速道路から見えてきた。チェックイン後、さっそく下調べを兼ねて、いくつかの会場を見て回る。入場パスを手に入れたりはもちろん、駐車場へのアクセスが変わっていたりするから、当日になって困らないように準備しておくわけだ。ついでに、カーメルの町中でパレードを見学。戦前のマシンからエンツォフェラーリまで、うじゃうじゃ走っている、路駐しているから、歩いていて飽きない。
金曜日。この日は最近大人気で、前売りチケットが数時間でソールドアウトしたというモータースポーツ・ギャザリング(MSG)に向かう。このイベントはペニンシュラグループのリゾート施設“ザ・クエイルロッジ”で開催される非常に貴重なレーシングカー、スポーツカーの祭典だ。人気の理由は、展示されるクルマが1車種1台づつの極上車であること、食事からワインまでフルパッケージになっていること、限られた人数しか入れないのでゆったり見れること、などが挙げられる。今年も素晴らしい天気、雰囲気、サービスの中、開催された。
珍しいコンセプトカーも集まる。写真はフェラーリディーノスペシャル |
メーカーの出展も多く、新旧の名車が並び立つ。SLR今昔物語 |
戦前のアルファロメオがこういう形していたって、知ってました? |
ベントレー(奥)とデライエ。キントン雲みたいでめっちゃ格好いい。昔はこういう格好よさ、理解できなかったけど、歳取ったなあ |
新型車発表会もこの場を借りて行われる。こちらはランボルギーニガヤルドLP550-2発表の様子 |
MSG(マイケルシェンカーグループではない)をたっぷり楽しみ、ランチもいただいたのち、今度はイタリア車の祭典、コンコルソ・イタリアーノに向かう。去年は飛行場での開催で、評判を落としまくったが、今年は再び、ゴルフ場で行われるらしい。期待して駆けつけた。
フェラーリが、やっぱり主役。多いときで800台以上いた。今年はちょっと少なくて、どうだろう、300台くらいだっただろうか。それでも新旧多くのフェラーリが居並ぶ様は、見ていて壮観だ |
フェラーリの中でも288GTOが20台以上集まったのには驚いた。総生産台数わずかに270台程度の超稀少跳ね馬のほぼ1割がいたことに |
ベルトーネのBATシリーズも見物だった。フランコ・スカリオーネの未だに理解不明な作品群だが、存在感と新鮮みは圧倒的! |
ミウラやレベントンなど、一通り揃ってはいたけれど、ちょっと迫力が不足気味だったランボルギーニ軍団。まあ、それでも100台近くいたから、凄い数だけどね |
イタリアンスタイルとアメリカンパワーの合作、デ・トマソパンテーラの人気は別物。フルノーマルがほとんどいない代わりに、オリジナリティを競っていて面白い |
ベスト・オブ・ザ・ショーに選ばれたマセラティメキシコ。知ってますか~。しかし、さすがビカビカ |
いいねえ、アルファロメオモントリオール |
カウンタックとランボルギーニのトラクター。どっちか強い? |
というわけで、初日は2つのイベントを堪能。特にMSGは滅多に見ることのできない貴重なスポーツカー揃いぶみで、しかも じっくりオーナーと話ができるので、クルマ好きにはたまらない。 一方のコンコルソは、どちらかといえばクラブ単位の大規模ミーティング。イタリア車をとにかく沢山見ていたい、という方にオススメ。出店も多くて、庶民的(フェラーリの数を考えると決してそうじゃないけれど、この週末の中では相対的にそう思えてしまうから怖い!)で楽しい雰囲気。
二日目の様子は次ページで