“懐が深い”という表現がよく似合う
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ルノー初のクロスオーバーモデルとなるコレオス。サイズは全長4525×全幅1855×全高1710mm(プレミアム)。319.8万円のベーシックモデル、349.8万円のプレミアム、359.8万円のプレミアム グラスルーフの3グレードをラインナップ |
エエもんだってことは分かっていても、なかなか自分の生活の中に取り入れることが、できそうでできないものって、けっこうあると思う。ボクにとってはフランス車がそのひとつ。
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1996年にデビューした、ピニンファリーナがデザインした流麗なクーペ、プジョー406クーペ |
過去に思い切って取り入れたクルマはたったの2台(50数台中)。スタイルが素晴らしかったプジョー406クーペとシトロエンC6だけ、だ(C6の予行演習に少しだけXMにも乗ったけれど)。
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シトロエンのフラッグシップサルーン、C6。フロントが長くリアは短いオーバーハングによる個性的なスタイル |
だから、フランス車乗り(不思議なことに、常識的な確率を超えて周りにけっこう沢山いたりする)と話をすると、少し頭が下がってしまうのだった。良さを知って実践しているその姿が、とても羨ましい。あまりマニアックに過ぎる方は困るのだけれど……。
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1989年にデビューした当時のフラッグシップサルーン、シトロエンXM。テールゲートをもつ直線基調のスタイルはベルトーネのデザイン |
ルノーコレオスも、つまりはそんなクルマだ。メカニズム的には日産で、エクストレイルやデュアリスあたりがベースだったから、走りのマトモさは乗る前から折り紙つき、大いに期待していたもの。結論から言うと、そのマトモさにほどよく“いい目が出た方の”ルノー風味がブレンドされて、想像以上にほかとは違う=買う理由のある、クロスオーバー車に仕上がっていた。
何と言えばいいんだろう。クルマに乗っていながら先を急がせない、その瞬間瞬間の乗り味の深さに満足してしまう感覚は、フランス車ならではだと思う。否、今となっては、フランス車でもこのニュアンスを出せるのはごく一部。いやあ、本当に“懐が深い”という表現がよく似合うクルマだ。
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エクストレイルに搭載されている4WD(オールモード4×4-iシステム)を採用。走行状態に応じて最適な前後トルク配分を行う。また急な坂を下る際に車速を一定に保つヒルダウンコントロール、坂道発進時に後退を防ぐヒルスタートサポートなども装備した |
次ページで自分の生活とフランス車の関係について考えて見ました