輸入車/注目の輸入車試乗レポート

2009年の輸入車について考える

“厳しい年”と言われる2009年、変わっていくであろう輸入車を巡る環境について考えて見ました。併せて、そんな中で登場する“今まで通りの目で見る”注目モデルも紹介します。

西川 淳

執筆者:西川 淳

車ガイド

新しい価値が求められる年に

VWゴルフ
新しいVWのデザインアイコンを採用したフロントマスクをもつ、6代目となるVWゴルフ

厳しい年になる、なんて今さら言ってもしょうがない。もう年は始まったんだし、だからと言ってクルマ好きはやめられないし……。

新しい価値感がいっきに出てくる年になるだろうけど、それを凄いと思えるのもまた積み重ねたもののあるがゆえ。なーんもないのに革新なんてできない。だったら、産業としてのパラダイムシフトはともかく、趣味として自分の価値感を楽しむ、遊ぶ姿勢だってもっと尊重されていいはず。

そこから、変わりゆく社会やシステムとの軋轢の中から、文化は生まれてくるのだから。日本に自動車の文化が必要か否かはまた別の議論だけれども、楽しみたい人にはふんばりどころ、というかチャンスだと、ボクは思っている。

一方で、日本における輸入車ビジネスも転換を迫られるはず。新しい価値と古い価値の両方を見極め、より効率的で効果的、もっと言えば限定的なビジネスモデルが必要になってくるだろう。

従来のような、本国主導のマーケティングは最早成立しないし、本国も日本市場のことなど構っている場合じゃなくなってくる。これまでは、 台数が売れてなくても、厳しいマーケットで鍛えられるという副次的なメリットがある、と言える余裕がまだあった。

それがなくなった今、初めて丸裸のブランド力が試されると言っていい。薄っぺらいマーケティングを行ってきたブランドは突然市場を失う。もしくは、既存のシステムや方法論に拠らず、全く新しいプレゼンテーションを果敢に行ったブランドが突如もてはやされる。局所的に現出する可能性も高い。

短期的には、より“ガイシャらしいガイシャ”で”伝統的”なブランドが支持を得るはずだ。それらは一定のビジネスを続けて行くだろう。他はそれに真正面から対抗してはいけない。できなければ、そんな市場は古いものとして諦め、何度も言うけれども、違うマーケティング、違う宣伝、違う販売で新しい価値をプレゼンしなければならない。もちろん、商品に新しい価値がある、それが大前提である。

ただし、(本国主導の)輸入車にそれを求めるのは、たいへん酷な話だ。逆に言えば日本車にはそのチャンスが大きい。ヒントは案外、本国仕様やスタンダードモデルなどにあるのかも。要するに、新しい価値とは違う価値であり、それを言うなら、そもそもガイシャは違う価値観の中で生まれたものだったはずだからだ。

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