BMW/BMWの車種情報・試乗レビュー

新ステージを体現した新型7シリーズ(3ページ目)

5代目となり型式が“F”世代に突入したフラッグシップサルーン、新型BMW7シリーズ。ドイツで試乗したその走りは、新たなステージに立とうとしているBMWを物語っています。

西川 淳

執筆者:西川 淳

車ガイド

シリーズ最良の高速安定性

BMW7シリーズ
巨体をものともしないダイナミックな走りをみせる新型7シリーズ

750LiのインテグラルAS/DDC付きに試乗した。ノーズが薄くなっても、さすがに5.2mを超えるとでかい。ホイールベースも3210mmと巨大。これを日本で積極的に駆るためにも、4WSは必要かもなあ。

写真で見たときは、“なんかフツーになっちゃって”と思った5代目。実物はちょっと違って、フロント周りにも迫力(ちょっと亀っぽいけど)があり、前述したように全体の雰囲気はかなりスポーティ。特に、サイドキャラクターラインが強烈。リアからの眺めがレクサスLSを思い出させるのが玉にキズ?特にランプとエンドパイプ。

インテリアは予想通り、当たり前になった感が強い。現行型のようにスペシャルなクルマに乗ったという盛り上がりに欠ける分だけ、操作に戸惑うようなこともなく、いきなり走り出せる。前は、初めて乗ったとき、動かすのに暫く時間がかかったもんだ。

BMW7シリーズ
直噴エンジンだけでなく軽量化や各種電子デバイスなど、走りの技術が進化

後輪が逆位相に切れる4WS付きだから、微速域での切れ込みは、相当に大きい。最初は戸惑うほど。実際にこれだけの長い車体が鋭く曲がるから、フツウのアクティブステアリングの比ではない。

後輪操舵の影響だろうか。低速域で後輪のつっぱりが気になる。DDCをコンフォートモードにしてもあまり印象は変わらない。ちなみにDDC、コンフォート、ノーマル、スポーツ、スポーツ+の4モード設定で、アクセル、シフトスケジュール、パワステ操舵、ダンパー、ESPなどを統合制御するもの。

当然、コンフォートモードは何から何まで穏やかで、とくに発進は2テンポほど遅れる印象。燃費を考えたモードと言っていい。

しばらく走りながら、DCCのモードを試したが、なかなかしっくりくるポジションがない。スポーツ以上だとエンジンフィールや加速に満足するものの、乗り心地がいかにも硬い(街中)。かと言って、ノーマル以下だとかったるい。アウディのように個人モードが選べればいいのになあ。

7シリーズというクルマの特性というか、既存オーナーからの要望なのか、X6のような激しい音やエンジンフィールもなかった。BMWはエンジンだ!と思っているボクには、そこがちょっと不満。それから、ステアリングフィールも4WSのでしゃばり感が強く、BMWらしい自然な手応えが薄い。ノーマルのアシに早く乗ってみたいところだ。

ある程度の速度にのって、カントリーロードをスポーツモードで走る分には、巨体をものともしないダイナミックな走りをみせる。相変わらず音は刺激的じゃないが、ハンドルを握る手は喜んでいる。それこそ、BMW。巨体にも関わらず、効き始めが気持ちいいブレーキも良かった。

高速走行の安定感は、シリーズ最良だろう。同位相に切れる後輪が、スムースかつ気持ちいいレーンチェンジを促す。直進安定性もいい。曲がりたがるBMWが好きな人には、物足りないかも。

駆けぬける歓びから、エフィシェンシーダイナミクスへ。いずれにせよ、BMWが新たなステージに立とうとしていることを、新型7シリーズは物語っているかのようだ。

BMW7シリーズ
FRスポーツサルーンであることが強調されたスタイルをもつ
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