BMW/BMWの車種情報・試乗レビュー

新ステージを体現した新型7シリーズ(2ページ目)

5代目となり型式が“F”世代に突入したフラッグシップサルーン、新型BMW7シリーズ。ドイツで試乗したその走りは、新たなステージに立とうとしているBMWを物語っています。

西川 淳

執筆者:西川 淳

車ガイド

“F”世代に突入した新型7シリーズ

BMW7シリーズ
全長5212mmとなるロングボディ(写真は750Li)

5代目でついにBMWの主要車種型式はF世代へと突入した。ツウは、BMWの各モデルを型式で呼ぶのが習わし。E90といえば現行型3シリーズだし、E60は5シリーズで、現行7シリーズはE65だ。そして、ついに次期型7シリーズではF01(ショート)とF02(ロング)となる。ちなみにほかのBMWの型式は……。
(複数世代のものは古い型から順に)
・ 3シリーズ E21、E30、E36、E46、E90
・ 5シリーズ E12、E28、E34、E39、E60、F10?
・ 6シリーズ E24、E63
・ 7シリーズ E23、E32、E38、E65、F01
・ 8シリーズ E31
・ X3 E83
・ X5 E53、E70
・ X6 E71
・ M1 E26
BMW7シリーズ
ショートボディはロングより140mm短い全長5072mm(写真はディーゼルエンジンを搭載した730d)

サイズ的には現行E65と大差ない。ただし、ホイールベースが若干長くなったことと、ルーフラインを下げたことで、特にショートボディを真横から見るとFRスポーツサルーンであることが強調されたスタイルになっている。ノーズが長く、短く盛り上がったデッキが、いかにもそれらしい。

サイドの、尖ったキャラクターラインがちょっとアルファロメオっぽい。現行5シリーズとも良く似るが、より峰がシャープで、ドアハンドルをライン上に配するのが違う。ボディパネルの素材は、ついにルーフもアルミとした結果、サイドウィンドウ周りとリアフェンダーがスチールとなるだけで、他は全てアルミだ。

BMW7シリーズ
インパネ回りのデザインも新しくなり、Iドライブだけでなくメーター類やヘッドアップディスプレイなども進化している

インテリアは、もっと保守的だ。フツーのクルマになった。そういう意味ではちょっと後退した気がする。ごくごく当たり前な形状のステアリングホイール、パドルシフトはなく、もちろんシフトレバーは普通の位置に戻された。BMWらしく、ダッシュボードがドライバーの方にやや向けられている。Iドライブは1タッチスイッチ付きのもので、使い勝手を優先している。雰囲気的には、アウディA8に近い。

ちなみに、シフトレバーの位置変更、パドルシフトの廃止などはユーザーの変更圧力が強かったところらしい。

一挙に3種類のエンジンを用意した。1つはディーゼルで日本への導入予定はない。他の2つがガソリンエンジンで、いずれも既存モデルに搭載済みの直噴ターボユニットだ。すなわち、3リッター直噴ツインターボ(740i)と4.4リッター直噴ツインターボ(750i)である。これに、今となってはやや物足りない段数だが、6ATが組み合わされた。さらなる多段ミッションは開発中。エコスタイルに対応するモデルとしては、ハイブリッド車が来年発売される予定だ。もちろん、12気筒モデルの開発も進んでいる。

技術的な見どころは、直噴エンジンによるパワーアップ&炭酸ガス低減の他に、軽量化や各種電子デバイスなど多岐に渡っている。中でも“走りのBMW”ゆえに注目しておきたいのは、インテグラル・アクティブ・ステアリング(いわゆる4WSシステム)と、ダイナミック・ドライブ・コントロール(DDC、アクティブシャシー系の装置)の2つのオプションだ。

BMW7シリーズの走りについては次ページ
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