爽快なイメージに似合わぬ“重さ”
電子制御式シャシーコントロールシステムのDSC(ダイナミックスタビリティコントロール)も標準採用した |
乗り出してまず感じたのが、全体の重さ、だ。まずハンドルが異常に重い。最近のBMWはアクティウ゛ステアリングに力を入れていて、 装備されていれば低速域でもロックTOロック2回転以下と非常にクイックだから切り返しもラクでいい。反面、アクティウ゛ナシのパワーステアリングフィールは、重いだけでなく、滑らかさにもかけて少々不快だ。
カブリオレというカジュアルで爽快なイメージのクルマに、この重さはないだろう!と叫びつつ、街中に出てさらに気が重くなった。やっぱり、かったるい。+140kg増にこのエンジン+パワートレインはつらい。120のハッチバックはあれほど軽快だったのに。
速度に乗れば、何とかしのげる。ハンドリングも快活になり、 BMWらしさも出て来た。いかんせん、ハンドルの握りが太く、そのうえここ一発の加速が鈍い軽快に走らせているという印象に欠けるのがツライか。
サイドのキャラクターラインなど躍動感のあるクーペデザインを踏襲しつつ、流麗なオープンスタイルに仕上げられた |
スタイルだけで洒落て乗るクルマだからいいんじゃないか。とも思ったが、ビーエムというクルマのイメージが、どうもそれを許さない気がしてならない。ならばアウディの方がずっとオシャレに乗れそうだ。けれどもアッチは輸入されません、と。うーん、何だかな~。
だって、このクラスのオープンカーを400万円以上もの大枚叩いて買おうなどという御仁は、結局、洒落たいオッサンかホンマにオシャレなご婦人しかいないと思うので、BMWのようなキャラとそれに似合わないパフォーマンスじゃ、何とも迷いがあるような気がしてならない。
やるならドーンと135iカブリオレで良かったのでは??
撮影:篠原晃一・カーセンサー