AMGの販売台数は日本が世界第2位
AMG社初の独自開発となる6.3Lエンジンを搭載するSL63AMG |
まだ日が高い3時過ぎ。われわれはパームスプリングスの街に入った。砂漠の中の人工都市(まあ、街はどこも人工なのだけど)。茶色の山が間近に迫り、麓にまるでサンダーバードの基地のような大邸宅が何軒もみえる。区画整理された町並みは、どこか映画のセットのよう。街の真中に、利便性だけを考慮して空港が鎮座している。ここは、全米で最も高級な避寒地なのだった。
チェックイン。ピンク色のちょっと高級ラブホテルのような部屋で少し落ち着きをなくしつつ、例によってネットが繋がるかどうかを真っ先に確認した。
夜。カクテルパーティとブリーフプレゼンテーション、そしてディナー。われわれのテーブルには、これまた例によってAMGの開発スタッフが参加してくれた。日本は今や、台数でもドイツを抜いて、アメリカに次ぐ世界第2位のお得意さま。このところ、AMGモデルの試乗があるイベント(たとえばCクラスワゴンの国際デビューイベントでもC63試乗会が併催された)では、ノーマルラインナップ関係の技術者なりマーケッターは日本人のテーブルに近寄らず、中国やインドといった台数の稼げる市場のテーブルに向かう。
おかげで、われわれ日本人グループはAMG開発陣のキーパーソンとすっかり顔見知りに。カリフォルニアワインが進むと、彼らはいろんな“機密情報”を教えてくれる。それが楽しみ。ここでは決して言えないが……。
SL63AMGには新開発7ATのAMGスピードシフトMCTを搭載する。SL65AMGは従来からの5ATのAMGスピードシフトを採用 |
翌日。晴れ渡った青空から容赦ない陽光が、夜更かしでだるい体に浴びせられる。オープンだからしょうがない。初日はSLの、2日目はAMGのキャップが配られたが、ボクには野球帽が似合わないし、だいいち頭のサイズが特注ものなので被れない。結果、おでこから上が常に直射日光を浴びて、ずる剥けになってしまった。まあそれは、帰国してからの話。
2日目はいよいよSL63とSL65という両頂上オープンカー、キング・オブ・キングスの乗り比べである。
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