VOLVO(ボルボ)/ボルボ

ボルボV70はどこか中性的!?

みなさんに代わって魅力的な輸入車と“ほんのしばらく”付き合って見る「一週間ガイシャオーナー」。今回はボルボの主力となるミドルクラスステーションワゴン「V70」と過ごします。

西川 淳

執筆者:西川 淳

車ガイド

乗れば乗るほどしっくり馴染む新型ボルボV70

ボルボV70
昨年10月に7年ぶりにフルモデルチェンジを果たしたボルボV70。全長4825mm×全幅1890mm×全高1545mm、価格は480万(2.5T)~750万円(T-6)となる

大きく豪華になったV70。ボルボ的ステーションワゴンの造形美(四角くてサイドウィンドウが長いボルボエステートスタイルが個人的には好きだ!)から大きく発展し、見るからにラグジュアリーなワゴンスタイルへと変身した。

S80サルーンと共通のメカニズムを持つから、車格的にも1つ(半歩かな)上がって、今や立派な欧州Eセグメント。BMW5シリーズツーリングや、M・ベンツEクラスステーションワゴンがライバルである。

ドイツで初めて乗ったとき、クルマとしての完成度の高さに驚いたものだ。速度無制限区間のアウトバーンを、車速の高いカントリーロードを、荒れた街の中の舗装路を、それこそドイツ車のように“堅実に”走り抜けた。それまでのボルボにあった「ゆるさ」や「だるさ」をほとんど感じない。安全と同じくらいに走りに隙がない。そういう印象を日本に持ち帰ったことを今でも覚えている。
ボルボV70
試乗した最上級グレードのT-6は、3Lターボエンジンにスポーツモード付き6ATを組み合わせる

『ええクルマやけど、問題は日本での値付けだよなぁ。』それだけが気になっていた。V70といえば、もちろんお高いグレードもあったけれど、特別装備の充実した“お買い得”モデルが850時代からよく売れていたという印象が強い。それは、ちょうどDセグとEセグの狭間というサイズ感からくるお買い得感と相まって、ユーザーの心を掻き立てた。

新型は、確実にクラスが違う。今や、850クラスの大きさ(これが日本の道路事情にはベストマッチするのだ!)を担当するのはV50。しかし、それじゃラゲージルームへの不満(それほど使わないにも関わらずだ!)が出よう。結局、V70の真性ユーザーが食指を動かすクルマがなくなった。ならば、せめて価格だけでも……。

とはいえ、それは無理な相談だ。事実、最上級のT6に至っては乗り出し800万円超級である。そりゃ、同等のパワーソースで比較するならジャーマンプレミアムよりお買い得だが、「だったらベンツを頑張って買いたいよ」という価格差でしかない。ドイツ勢が手の届かぬ所にあると見せるような絶対的な差がないのだった。

480万円の2.4LEが出て、幾分そのイメージも緩和されただろうし、この車格感を考えれば、確かに値段は高いがオーナーの満足度はそれ以上になったとも思う。乗れば乗るほどにしっくりと馴染む。そういう味わい深さが新型V70にはある。デザインの好き嫌いは別にして……。

ボルボV70
ラゲージは旧型と比べさらに広くなり、電動式パワーテールゲートも装備される


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