VOLVO(ボルボ)/ボルボ

本格ステーションワゴンの王道、V70

ボルボの定番スタイルとなるエステート(ステーションワゴン)モデル。後から登場したスタイリッシュモデルにより目立たなくなってしまったが、本格ステーションワゴンとしての地位は揺らいでいない。昔のようなイメージではなく、安全と洗練という最新ボルボの真骨頂が味わえる。

西川 淳

執筆者:西川 淳

車ガイド

伝統の安心とファッションモードを巧みに織り込んだ

ボルボV70

ボルボの中心となるステーションワゴン(エステート)。現行モデルは2007年に登場している。国内ではDRIVe(449万円)、T5 SE(499万円)、T6 AWD Rデザイン(699万円)の3グレードを展開する。サイズは全長4825mm×全幅1890mm×全高1545mm(DRIVe)

ボルボV70

追突の危険を感知すると時速30km/h以下で自動的にブレーキをかけつつエンジン出力を抑制するシティ・セーフティに加え、前方の歩行者を認識して衝突を回避またはダメージを軽減する歩行者検知機能付きフルオートブレーキシステムまで備わった(T6に標準採用)

ボルボの定番スタイルといえばエステート、ステーションワゴンだ。セダン派生モデルではあるけれども、いつの間にかブランドアイコンに。その結果、生まれたのが“四角いクルマ”という、“安全”と並ぶボルボのメインイメージだった。

もっとも、四角いエステートは、大ヒットを記録した初代V70(850シリーズ)までの話で、先代そして現行のV70はといえば、真四角イメージとはほど遠いエステートスタイルを採っている。

現行モデルは、すでにデビューから4年が経ち、後から登場したXC60やS60&V60といったスタイリッシュ系の影に隠れて目立たなくなってしまったが、本格ステーションワゴンとしての地位は揺るがない。

ボルボV70

S40/V50から採用されたインテリアアイコンとなるフリー・フローティング・センタースタックを採用する

否、本格であるがゆえに、エステート文化に乏しい日本では、ある一定レベル以上の支持を得ることがないとも言える。現行モデルは、本格であるがゆえにサイズアップし、以前の850や先代V70のような、日本人にとってほどよいサイズのアッパーミドル車ではなくなった。

最新V70では、パワートレインのダウンサイジングも進んで、直噴1.6ターボ++ダブルクラッチシステムのDRIVeグレードも用意されている。下から上まで同じパワートレインを使うという手法は、すでにフォルクスワーゲンでもお馴染みのもの。実用的なエコを目指すという姿勢は、いかにもボルボらしい。

ボルボV70

DRIVeは1.6リッター直噴ターボと6速デュアルクラッチのパワーシフトを組み合わせる。ブレーキエネルギー回生システムなども備え10・15モード燃費を12.2km/hとした。T5 SEは2リッター直噴ターボを搭載、最高出力240psを発生しつつ燃費も従来より約14%向上(10.8km/l)させている

もう、昔のように“プロフェッショナル(ドクターをはじめカメラマンやスタイリストといった人たち)が好む”イメージや、“なかから大型犬が飛び出してきて公園でピクニック”なイメージで買う人はいないだろう。伝統に裏打ちされた安心と、洗練されたファッションモードを巧みに織り込んだブランド、それが最新ボルボのイメージである。V70に乗れば、いずれにせよ、その真骨頂を味わえることは間違いない。

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます