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"カーナビの実験"でわかったこと(3ページ目)

カーナビ用のグリーン・ツーリズム施設のデータ整備を進めているカーナビGT協議会は、よりよいデータ作りのための実証実験を今年も敢行。それに参加してきた。

石田 功

執筆者:石田 功

カーナビ・カーオーディオガイド

カーナビによるGT施設へのアクセスの問題点

湖畔りんご園の後はもう1軒、森本りんご園を経由したあと、高知県の南西の端、大月町まで一気に移動。翌朝は柏島やコーラルフルーツ農園、野村いちご園に立寄り、足摺岬の付け根を経由して、会議のために四万十市へ。その行程のなかで、いくつかの問題点も浮かび上がってきた。
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カーナビは私道までは案内しないのでGT施設が私道の奥まった場所にあるとわかりにくい

まず、カーナビが案内を終了した後の誘導をどうするのか。というのもカーナビの案内は、公道上で終了し私道までは案内しない。ところがGT施設は必ずしも公道の横にあるわけではなく、私道に入り込んでしばらくいくと施設があるということも多い。そのため、施設のピンポイントデータを作成したとしても、必ずしもカーナビが施設までピンポイントで案内するとは限らないのだ。

カーナビと看板案内の連携が最良の解決手段か

そんな状況を回避するには、ナビメーカーや地図会社と協力して地図データを整備したり、ルート探索アルゴリズムを改善する必要がありそうだ。しかし膨大な労力が必要なため、おそらくそれは不可能。ならば、カーナビの案内が終了する地点を施設側が把握し、そこからの施設の前まで看板を設置するなど、施設側も考える必要があるだろう。

またGT施設へアプローチする道とは違うルートをカーナビが探索するケースも稀にある。これは、カーナビが目的地に最も近い公道上までのルート探索を行うために起こるものだろう。GT施設が公道から奥に入った場所にあり、GT施設へ向かう私道が接続している道よりも近い場所にもう1本の公道があったとしたら、GT施設へ接続している道がない公道上へ誘導する可能性もあるのだ。

それを無くすには、たとえばGT施設へ向かう私道の入り口を検索できるようにデータを整備し、そこからはカーナビに頼らずに看板で誘導するといった具合に、カーナビと看板での案内の連携が有効だろう。

アクセス道が狭いGT施設にスムーズに誘導するには?

さらに……。これはGT施設へのアクセスに限らないのだが、カーナビが誘導するルートは目的地への最短ルートを提示することが多い。しかしGT施設へアクセスする道路は狭いことが多いし、三桁国道なども、まだまだ拡張工事が進んでいない場所がある。そのため、場合によっては1車線分しかない曲がりくねった道を、延々と走る羽目になることもあるのだ。

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今回のドライブの足はマツダ・デミオ。軽快に走ってくれた

今回はマツダ・デミオでのドライブだったので、それほど苦労することはなかったが、それでも狭い道を走行している途中で対向車に遭遇してヒヤリとすることも幾度か。これが大柄なミニバンだったら、よほど慣れていないと怖くて運転できないだろう。そんな道への対処をどうするかは、カーナビメーカーや地図会社に考えてもらいたいと感じた。

とはいえ、そんな道へ入り込んだ時こそ、実はカーナビはありがたい存在。というのも、100mスケール程度の拡大地図を表示しておくと、地図を見ればカーブの曲率が事前にわかるので運転しやすいのだ。それを一歩進めて、狭い道での待避部分をデータ化するといったことができないものだろうか。また、その道を通るしか方法はないという以外は、少しばかり遠回りしても狭く危険な道よりも安全で広い道をルート探索するような探索アルゴリズムにできないものだろうか。

次ページは実験に使用したエアーナビのインプレッション
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