12セグとワンセグ

地デジ放送はUHFの6メガヘルツの帯域を13のセグメントに分割して送信する方式をとっている。この13のセグメントのうち12のセグメントを使って行う放送を12セグと呼ぶ。ハイビジョンの高画質の映像は、12セグでないと放送できない。で、残りのひとつのセグメントを使って行う放送がワンセグ放送。ワンセグは帯域が狭いため当然データ量も少なく、12セグに比べると解像度は低い。

どの程度、画質が違うのか。この写真ではわかりにくいかも知れないが、12セグならテロップの小さい文字の輪郭がくっきりしていて、はっきりと読み取ることができる。対してワンセグは、大きな文字だとかろうじて読めるが、小さな文字だと輪郭がぼやけて読み取るのが難しい。また12セグなら顔の表情までわかるほどクリアだが、ワンセグはのっぺりした感じになる。
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こちらが12セグの画像。文字の輪郭や建物の細部がくっきりしている
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ワンセグは文字の輪郭がぼやける。岩肌などもぼやけた感じ

しかし12セグに比べて広範囲で受信できるのが、12セグに対するメリットといえる。ワンセグは、もともと携帯電話などのモバイル用に始められたサービスで、現在はサイマル放送といって、12セグと同じ内容の番組が放送されている。

車載時の受信エリア、どの程度違う?

車載用で気になるのは、12セグとワンセグで、どの程度、受信エリアに違いがあるかということだろう。僕も全国の道を走り回って試したわけではないので、走ってみた範囲の話しかできないが、12セグで受信できる範囲はそれほど広くはないという印象だ。高速道路上で安定受信できるのは、東京なら環八の内側。大阪(名神下りの場合)は京都との境目の天王山トンネルを越えたあたりで12セグの受信が可能になるが、南側はワンセグしか受信できない。ただし、受信状態はクルマのスピードにも影響されるようで、一般道を走行していると12セグでの受信エリアは若干広がる。

それに比べると、ワンセグの受信エリアは広い。例えば東名を東京から大阪方面に向かうと、用賀から高速に乗った早々、防音壁や切り通しがあるところで、12セグ/ワンセグの切り替えを繰り返し、横浜を過ぎたあたりから12セグの受信は厳しくなる。それ以降もワンセグは見られ、ワンセグも受信不可能になるのは、大井松田を過ぎてルートが左右に分岐するあたりだ。また静岡県内の高速は、12セグでの受信はほんのところどころでしかできないが、ワンセグなら菊川~掛川あたりまで安定して受信できる。つまり高速走行中は大都市近辺を除くほとんどで、ワンセグを見ることになる。

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これが地デジ用アンテナ。電波はUHF
どこで受信できるのかを表す資料として、(社)地上デジタル放送推進協会ホームページの放送エリアの目安があるが、これはあくまでも家庭の固定TVの話である。車載の場合はアンテナの取り付け位置が低いし移動体であるため、家庭のTVよりは受信条件が悪い。そのため、この放送エリアの目安よりはかなり割り引いて考える必要がある。

上りか下りか、つまりクルマが送信局に向かっているか、送信局から遠ざかるかでも、受信可能なエリアは微妙に異なる。というのも、地デジのアンテナはフロントウィンドウに貼るのが一般的。当然、フロントウィンドウが送信局側を向いていたほうが、電波を捉えやすいというわけ。中央道を例に挙げると、下りでは八王子近辺で受信が途切れるが、上りは談合坂SAを過ぎたあたりから受信できるようになる。

また窓に貼るフィルムアンテナと、屋根の上に立てるアンテナでも感度が違う。感度が高いのは屋根の上に立てたほう。クルマ全体ののスタイリングを壊さないという点でフィルムタイプが主流だが、カッコよりも感度というなら、屋根の上に立てるタイプのアンテナに替えるのも手だ。


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