LEXUS(レクサス)/LEXUSの車種情報・試乗レビュー

高級車の条件。レクサスIS

レクサスのコンパクトセダンIS。ISのデザインを中心に見ながら、高級車の条件、これからの日本の高級車について考える。

執筆者:松本 明彦


クラウチングスタイル

スタート前の短距離ランナーのような、クラウチングスタイルを思い起こさせるレクサスIS。プレミアムカーならではの、幅広い「非日常」的なプロポーションだ。

張りのあるドアサイド断面、張り出したフェンダー。

レクサスで一番コンパクトなセダンがIS(インテリジェント・スポーツ)だ。そのサイズは4575×1795×1430mm(全長×全幅×全高)、ホイールベース2730mm。トヨタのセダンのプレミオはそれぞれ4600×1695×1475mm、2700mmなので、ほぼ同等の全長ながら100mmも幅広く45mmも低く、30mm長いホイールベースを持つことが分かる。ISのこの全幅の広さは、ダイナミックで安定したスタンスを生むと同時に、ファミリーセダンのプレミオが配慮する「取り回しの良さ」や「駐車スペース」などの「日常」性よりも、プレミアムカーならではの「美しさ」や「特異性」などの「非日常」性を表現する。

レクサス共通の「ヘッドランプ上端を結ぶ線より低いフロントグリル上辺」。踏ん張ったスタンス。

明快なウェッジシェイプ、高いベルトラインもスポーティーだ。

今までの高級車が「高く大きいフロントグリル」で威張っていたのに対して、ISではレクサス共通の「ヘッドランプ上端を結ぶ線より低いフロントグリル上辺」が視線を下に誘導し、ISの姿勢をより低く構えたように見せる。サイドヴューの明快なウェッジシェイプ、「グッと凝縮した時に、外に反発して向かう力」を表現した張りのあるドアサイド断面、張り出したフェンダー、高いベルトラインなども、スタート前の短距離ランナーのようなクラウチングスタイルを思い起こさせる。標準でもまるでローダウンのようだ。
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