「ホワイトブック」とは?
インテリアは、ほぼボクスターと共通。ただメーターパネルカバーが、レブカウンター部のみ盛り上がり、造形にリズムを付けているのが特徴だ。今回の試乗車では、3スポークレザーステアリング、アダプティブスポーツシートなどのインテリアに加え、19インチスポーツデザインホイール、PCCB(ポルシェ・セラミックコンポジット・ブレーキ)など、エクステリアや機能のオプションが多数加わり、総額も10,635,000円と一千万円オーバーカーになっていた。
色気はないが、スポーツカーらしい機能的なインテリア。ただ日本の市場を考慮した場合、ナビ画面を視線の移動量の少ない高い位置に付けられるよう、今後の改良に期待したい。3スポークレザーステアリングやアダプティブスポーツシートはオプション。 |
「whitebook(ホワイトブック)」をご存知だろうか?高級ブランドの有力顧客でしか手にすることができない、季刊のこの雑誌は非売品。高級ブランド各社の有力顧客に無料で進呈したり、ホテルの客室やショールームにのみ置いてある雑誌だ。ページを飾るのはたとえば、池沢夏樹のエッセイや美術家田窪恭治へのインタビューといったカルチャーと共に、カッシーナ、ハリー・ウィンストン、そしてポルシェといった一業種一つの高級ブランドにまつわる歴史や思想などの記事だ。そしてその顧客は重なり、たとえばポルシェの顧客が「whitebook」で、ハリー・ウィンストンに興味を持つといったことが考えられる。
ポルシェ以外の何者でもない「独自性」が、ポルシェブランドを形作る。 |
ポルシェAGは、ニューヨークにあるラグジュアリーインスティテュートによる米国国内の高額所得者(税引き後の年収で200,000ドル以上、税引き前の年収については750,000ドル以上となる500世帯以上)を対象に行ったプレステージの高い高級自動車ブランドを決める調査で、最高位に輝いた。競合ブランドを押さえ、最も威信のあるプレミアムブランドに選ばれたのだ。
高級ブランドの有力顧客のみに届く「whitebook」。 |
ラグジュアリーインスティテュートによると「ポルシェブランドが成功した理由は、その『独自性』と『エクスクルーシブ』にあるとしている。(プレスリリースより)」
ポルシェならではの「独自性」と「エクスクルーシブ」を深く知ることができる幸せな人は・・・ |
「独自性」と「エクスクルーシブ」は、先の「whitebook」や連綿と続くレース活動やサーキットでの走行会、どんな希望にも答えるプログラム「ポルシェ エクスクルーシブ」などのソフト面と共に、その走りは言うまでもなく、スポーツカーとして機能的なインテリア、誰が見ても分かるポルシェというデザインによって支えられてるものだろう。それは少年の頃、大人達がポルシェのことを笑顔で語るのを見た時、街で初めてポルシェを見かけ憧れた時、大人になってショールームでシートに座った時、エンジンをかけその音を聞いた時、ステアリングを握り走り出しコーナーを曲がった時に感じるものだ。そしてオーナーになった者だけが、ポルシェと過ごす長い時間を通じて、その「独自性」と「エクスクルーシブ」をより深く知ることができるのだ。(写真・文 松本明彦)
<関連リンク>
・ケイマンS
・自由を手に入れる ポルシェ911 カレラ
・オーナー訪問No.9 「徹底主義」のカイエン&W124
・ポルシェの情報
※記事の更新や、本文では書けない「ステイタスカー」の内緒話やこぼれ話、情報を満載したコラムを、メルマガにてお知らせします。
ご登録はこちらからどうぞ。