NISSAN(日産)/日産の車種情報・試乗レビュー

風雅なる旋律 フーガ450GT(2ページ目)

豪快でありながら優雅なデザインのフーガに乗り込むと、運転する高揚感に溢れるインテリアへのもてなしが待っている。

執筆者:松本 明彦


高揚感溢れるインテリアへのもてなし

アルミのキッキングプレートも、オレンジ色に光り、ドライバーをもてなす。

インテリジェントキーシステムは、キーを身に着けているだけで、ドアのロック、アンロック、エンジンの始動ができる。ドアの小さなスイッチを押しグリップタイプのドアハンドルを開けると、ランプが足元を照らす。キーと連動して、マップランプ、フットランプ、アルミキッキングプレート照明などが段階的に点灯するのだ。シートに座りドアを閉めると、日食の名を持つソーラーエクリプスメーターが、オレンジ色に点灯してメーターの外周を浮かび上がらせる。プッシュ式のエンジンスターターを押すと、メーターの針が現れて一瞬振り切れる。運転する前の、わくわくする高揚感は高まる。そしてシート、ステアリング、ドアミラーが、キーのIDを読み取り、自動的に登録された位置に動きセットされる。この辺りのもてなしの心は、日本の高級車の最も得意とするところだが、フーガも徹底している。

ウィング状に左右に伸びるダッシュボードは、試乗車ではピアノ調。漆黒の鏡面塗装はモダンだ。

ウィング状に左右に伸びるダッシュボードは、本木目(2.5L、3.5Lは木目調)かメタル調(2.5L、3.5Lのみ)かピアノ調のフィニッシャーが用意される。ピアノ調は文字通り、漆黒のピアノのようなブラックの鏡面塗装で、モダンさを強調する。この4種類のフィニッシャーに加え3種類の内装色と3種類のシート地の組み合わせは、5種類の室内色コーディネーションとして選べる。イージーオーダー感覚で選べるのが、このクラスとしてはうれしい。

日食の名を持つソーラーエクリプスメーターが、オレンジ色に点灯してメーターの外周を浮かび上がらせる。このリング部分の照明は、メーター内側のドーム状部分に光をあてて、間接的に光らせている。ドライビングする高揚感が高まる

ただフィニッシャーは、2.5L、3.5Lは本木目ではなく木目調だったり、ピアノ調は本木ではなく樹脂だったり、インフィニティMではアルミニウムがフーガではメタル調になってしまう。また本革内装の本革は、ステアリング、シフトノブ、シート座面と背もたれ部分で、ヘッドレスト、オットマン、ドア部は合成皮革、シートサイド、リアは汚れに強い塩ビを採用している。ぱっと見は分からないほど、丁寧に作り込まれてはいる。体の直接触れる部分と、そうでない部分を使い分けているのも分かる。ライバル車たちも、一見本革に見える部分でも合成皮革と使い分けをし、本革の部位を増やすのはオプションにしているクルマもある。しかし彼らは、既にブランドを築いているのである。これからブランドを育てていくフーガは、素材の使い分けをし適正価格で提供するか、高価格になっても本物の素材を使っていくか。「同じクラスで値付けをより高価格にできる」ことが「ブランド」力だとすると、フーガのポジションをどこに置き、フーガのブランドをこれからどう育てていくかによって、その判断は分かれるところだろう。

助手席のパワーオットマンは、同乗者に優しい装備だ。
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