輸入車/注目の輸入車試乗レポート

あの隆盛再び、クライスラー 300C

50年前、アメリカ中から羨望の眼差しで見られていた「レターシリーズ」。その誇り高く力強いラインを、現代に甦らせたのが300Cなのだ。

執筆者:松本 明彦


現代によみがえった、誇り高く力強いアメ車


世界中の人々から羨望の眼差しで見られた、古き良き時代のアメ車の誇り高く力強いデザインを、現代流に表現したのが「300C」だ。

クライスラーのデザイン担当 上級副社長トレバー・クリード氏は、300Cのデザインを「かつてアメリカの自動車業界から羨望の眼差しで眺められた、あの誇り高く力強いラインを復活したかったのです。しかも全く現代的な手法を駆使しながらです」と語る。いや300Cは、アメリカの自動車業界のみならず、世界中の人々から羨望の眼差しで見られる、古き良き時代のアメ車のあの誇り高く力強いデザインを、現代流に表現したと言えよう。

ロングノーズ、ショートデッキ、立ったAピラーと長く水平なルーフ、高いショルダーライン、長いホイールベースと短いフロントオーバーハング、四隅に張り出したホイールアーチが特徴のデザイン。

先代300Mの寝たAピラーと流麗なモダンデザインから一転。新型300Cはロングノーズ、ショートデッキ、立ったAピラーと長く水平なルーフ、高いショルダーライン、長いホイールベースと短いフロントオーバーハング、四隅に張り出したホイールアーチ、そして大きく立派なフロントグリルを特徴とする。

フロントフェイスは、大きなグリルと上辺を直線にし、下辺の外側にはRを付けたヘッドランプで「にらみの利いた顔」。押し出しが利く。

顔のメタファー(隠喩)であるフロントフェイスは、大きなグリルと上辺を直線にし、下辺の外側にはRを付けたヘッドランプで構成される。それはまさに「にらみの利いた顔」。迫力があり、押し出しが利く。長いフロントノーズは、ハイパワーを予想させ、張り出したホイールアーチと共にに力強さを表現。高いショルダーラインと水平で長いルーフはチョップドルーフ風で、18インチの大きなホイールと共にLA流のLUXURY CARを想起させる。

リアにもクライスラーウィング。クローム デュアル エグゾースト パイプは、HEMI V8のパワーを誇示する。

プロポーションの違いは、V6エンジン搭載 FFの先代300Mから、V6に加えHEMI V8エンジン搭載のFRになったことにもよる。先代メルセデスEクラスのシャーシを使いながら、5020×1890×1490(全長×全幅×全高)、ホイールベース3050mmと先代Sクラス並のボディサイズだ。

およそ50年前、現代的な優美さと技術革新を、力強く誇らしい手法で表現していた最初の「レターシリーズ」C-300 画像提供:ダイムラー・クライスラー日本株式会社

「現代的な優美さと技術革新は常にクライスラーブランドを証明する特徴でした。そして300Cは非常に力強く誇らしい手法でその真価を表現しています。およそ50年前、最初の『レターシリーズ』C-300がちょうどこのような感じでした」とクリード氏は語る。300Cは当時のアメ車のように、大きく力強い「アメリカンヒーロー」のようなデザインを目指したのだ。
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