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ついに2ケタ突入! BMW1シリーズ

BMWが本気でVWゴルフに挑戦したモデルが1シリーズ。クラス唯一のFRで勝負を挑み、十分成功したと言える、人気モデルです。そんな1シリーズもついに100万円切りと、おいしくなってきました。

籠島 康弘

執筆者:籠島 康弘

中古車ガイド

クラス唯一のFRで、駆け抜ける歓びを味わう

BMW 1シリーズ フロント
スリーサイズは全長4227mm×全幅1751mm×全高1430mm。ホイールベースは2660mm。同時期のVWゴルフとほぼ同じサイズですが、30mm全高が低く、85mmホイールベースが長いというのが、1シリーズの特徴。また見た目でも長いボンネット、クーペのように低く構えたルーフなど、FRでスポーティカーであることを示唆しています
気づけばこんなに値落ちしていて「おいしい!」という中古車をご紹介しているこの企画。今回はBMW1シリーズ(現行)を「残念ながら」ご紹介したいと思います。なぜ残念かというと、実は私の現在の愛車だからです(笑)。あーもう100万円を切るんだ……という複雑な思いとともにお届けしたいと思います。

登場は2004年9月。先代にあたるモデルに3シリーズコンパクトがあります。ただし3シリーズコンパクトが、ベースである3シリーズの派生モデルだと見た目ですぐわかるものだったのに対し、1シリーズは見た目が明確に違うものとなりました。例えば当時の3シリーズ(E46)に対し全長が243mmも短いのに全幅は11mm広くなったり、顔つきが異なったり、インパネデザインも異なります。さらにE46は5ATなのに1シリーズは6AT。リアサスペンションもE46のセントラムアーム式ではなく、5リンク式。当時は5シリーズ以上に奢られた足回りでした。ですから、1シリーズはE46ではなく現行3シリーズのE90に近いのです。

エンジンバリエーションも3シリーズコンパクトの頃よりもはるかに増え、さらにカブリオレモデルやクーペモデルなども登場しています。ちなみに、3シリーズコンパクトは2代続いたモデル。最初はE36の、次いでE46の3シリーズの末弟として登場しました(正確に言えば、初代はE36型のカタチはしているものの、シャーシはその一つ前のE30型をベースにしています)。しかし1シリーズは、そもそも名前が3を名乗っていませんし、3シリーズを短く切って、という発想をやめ、3シリーズより早く6ATや5リンクを搭載するなど、持てる技術を惜しげもなく注ぎ込んでいます。そこからも、BMWがVWゴルフなどプレミアムコンパクト勢に挑んだ本気度合いがおわかりいただけるのではないでしょうか。

BMW 1シリーズ インパネ
ダッシュボードに備わるスターターボタン、ステアリングから生えるウインカーレバーの先端には、オンボードコンピューターのメニューを選ぶスイッチが備わります。オプションで、ミラー一体型のETC車載器があり、これがスマートで便利(私の愛車がそうなんです)
では1シリーズの特徴は何かというと、それはクラス唯一のFRということに尽きます。他のBMWのモデル同様、前後配分50:50にこだわり、「駆け抜ける歓び」をこのクラスに持ち込むべく登場したモデル、と言っても良いでしょう。コンパクトなボディではFFのほうがスペース上もコスト面でも優位になるにも関わらず、BMWはFRにこだわったのです。

実際、中古車で116iを2年ほど前に購入してもう3万km近く乗っているヘビーユーザーの私から言わせてもらうと、気持ちいいんです。運転しているとまるで誰かが耳元で「踏め、踏め、ほ~ら、もっと」と囁いている感じというか。仕事上、例えば新型VWゴルフなどFFに乗る機会も当然あるのですが、それと比べるとステアリングの素直な感じというか、一番わかりやすいのはカーブを曲がる時の車速感だったり……。こういう感覚的な話は難しいんですけど、とにかく気持ちいいんです、運転していると。

そんな楽しさを、1シリーズの一番下のグレードである116iですら持っている、ということが重要なんです。次ページでもう少し1シリーズについて見ていきましょう。
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